メルクが決算受け大幅安　中国へのガーダシルの出荷停止を発表＝米国株個別

（NY時間09:37）（日本時間23:37）
メルク<MRK>　87.98（-11.81　-11.83%）

　メルク<MRK>が大幅安となっておりダウ平均を圧迫。取引開始前に１０－１２月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は売りが強まっている。通期の売上高見通しが予想を下回っていたことが嫌気されている模様。

　２０２５年２月から少なくとも同年半ばまで、中国へのＮＰＶ薬ガーダシルの出荷を停止すると発表。その影響を２５年度の見通しに反映させたとしている。ガーダシルは主に中国での需要減により減少したが、大半の国際地域、特に日本での需要増により一部相殺されたとしている。

　デイビスＣＥＯは「２４年は力強い成長を遂げた。これは、世界中でより多くのがん患者に恩恵をもたらし続けているキイトルーダをはじめとする革新的な製品群に対する需要、ウィンレバールの成功的発売、動物用医薬品事業の好調な業績を反映した」と述べた。

　同社は特許切れで後発薬との競争に直面すると予想されているキイトルーダの差し迫った売上減を相殺するために、ワクチンや肺疾患治療薬ウィンレバール、その他の新薬に期待を寄せている。キイトルーダは、肺がんや子宮頸がんなど、さまざまながん治療に使用される免疫療法薬で、世界で最も売れている医薬品。

　同社は、昨年２９５億ドルの売上を記録したオリジナル版の市場の３０－４０％を最終的に獲得することを目指し、より使いやすいバージョンのキイトルーダを年後半に発売する予定となっている。

（１０－１２月・第４四半期）
・１株利益（調整後）：1.72ドル（予想：1.63ドル）
・売上高：156.2億ドル　6.8％増（予想：154.5億ドル）
　　キイトルーダ：78.4億ドル（予想：76億ドル）
　　ガーダシル：15.5億ドル（予想：16.1億ドル）
　　レブロジル：1.1億ドル（予想：1.056億ドル）
　　イセンストレス：0.92億ドル（予想：0.74億ドル）
　　動物用医薬品：13.9億ドル（予想：13.6億ドル）
　　プロクアッド/MMR-II/バリバックス：5.94億ドル（予想：5.66億ドル）
　　リンパルザ：3.65億ドル（予想：3.426億ドル）
　　レンビマ：2.55億ドル（予想：2.59億ドル）
・研究開発費（調整後）：45.7億ドル（予想：42.3億ドル）

（２５年度通期見通し）
・１株利益（調整後）：8.88～9.03ドル（予想：9.19ドル）
・売上高：641～656億ドル（予想：673.7億ドル）
・粗利益率（調整後）：約82.5％（予想：81.0％）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

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