フォード、決算受け下落　通期のＥＢＩＴ見通しが予想下回る＝米国株個別

（NY時間09:56）（日本時間23:56）
フォード<F>　9.36（-0.66　-6.54%）

　フォード<F>が下落。前日引け後に１０－１２月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、通期のＥＢＩＴの見通しが予想を下回ったことが嫌気されている。自動車の価格下落や新車発売関連費用を理由に挙げている。

　同社は、トランプ関税の可能性と電気自動車（ＥＶ）の見通し悪化がもたらすリスクに加え、車両価格の下落と高コストの新モデル発売が予想されるため、今年の利益は２０億ドル以上減少する可能性があると警告した。

　次期ＣＦＯのハウス氏は、今年は業界全体の価格が約２％下落することと、新型ＳＵＶ「リンカーン・ナビゲーター」と「フォード・エクスペディション」の発売費用により利益が減少し、第１四半期は収支均衡になる可能性に言及した。同氏はまた、今回のガイダンスにはトランプ政権による政策変更の潜在的な影響は含めていないとも述べた。

　一方、ファーリーＣＥＯは「関税のことは誰もが気にしていることだろう。メキシコとカナダに対する２５％の関税がわれわれの業界に大きな影響を落とすことは間違いない。とはいえ、トランプ政権は米自動車産業を支援すると信じている」と述べている。

　アナリストからは、「通期のＥＢＩＴのガイダンスが予想を下回っていた。それは関税の影響ではなく、車両価格と為替レートのによる逆風を想定している」といった声や、「経営陣は１－３月（第１四半期）に収支均衡のガイダンスを示しているが、下半期に急回復する能力がどの程度あるのか。計画通りに上半期末までに目標在庫に到達するのかといった疑問は残る。ただ、今後のチャンスは大きく、同社の取り組みも評価している。しかし、それにはコストと在庫管理の明確な進捗を反映したデータを示す必要がある」との見解も聞かれた。

（１０－１２月・第４四半期）
・１株利益（調整後）：0.39ドル（予想：0.32ドル）
・売上高：482億ドル（予想：430.1億ドル）
　　フォード・ブルー：273億ドル（予想：258.5億ドル）
　　フォードeモデル：14億ドル（予想：18億ドル）
　　フォード・プロ：162億ドル（予想：155.7億ドル）
・EBIT（調整後）：21億ドル（予想：18.9億ドル）
　　フォード・ブルー：15.8億ドル（予想：12.5億ドル）
　　フォード・モデルe：-13.9億ドル（予想：-13.4億ドル） 　　フォード・プロ：16.3億ドル

（通期見通し）
・EBIT（調整後）：70～85億ドル（予想：85.7億ドル）
　　フォード・ブルー：35～40億ドル
　　フォード・モデルe：-50～-55億ドル
　　フォード・プロ：75～80億ドル
　　フォード・クレジットEBT：約20億ドル
・FCF（調整後）：35～45億ドル
・資本支出：80～90億ドル（予想：86.6億ドル）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

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