ナイキ、決算受け時間外で小幅高　ヒル新ＣＥＯの再建戦略が軌道に＝米国株個別

（NY時間17:13）（日本時間06:13）時間外
ナイキ<NKE>　72.23（+0.37　+0.52%）

　ナイキ<NKE>が時間外で上昇。引け後に１２－２月期決算（第３四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ヒル新ＣＥＯの再建戦略が軌道に乗り始めたことを示唆している。同ＣＥＯはスポーツに焦点を絞り、小売パートナーとの関係を修復することで、同社を再構築しようとしている。

　同社は、エアフォース１やダンクスなどの需要減退の結果、大幅な値引きによって古くなった在庫を一掃している最中。在庫は第３四半期に２％減少している。

　個人消費低迷とトランプ大統領による貿易戦争の激化を背景に同社は復活を果たそうとしているが、中国市場は引き続き弱点で、消費低迷が長期化する中、売上高は予想を下回った。しかし、北米と欧州・アフリカ・中東を含む地域の業績がそれを相殺している。

　ヒルＣＥＯはランニング、バスケットボール、サッカーなどのスポーツに特化した部門を中心に再編成することで、ナイキを活性化させる計画を発表。また、マーケティング資金をクリック感のあるデジタル広告から、よりアンセム的なスポーツキャンペーンに再配分している。第３四半期ではマーケティングに８％多く費やした。

　２月には、キム・カーダシアン氏の下着ブランドと提携した新ライン「ナイキ・スキムス」を発表。同社はまた、約３０年ぶりとなるスーパーボウルＣＭ放映した。

（１２－２月・第３四半期）
・１株利益：0.54ドル（予想：0.29ドル）
・売上高：112.7億ドル　9.3％減（予想：110.3億ドル）
　　ダイレクト：47億ドル（予想：44.5億ドル）
　　卸売：62億ドル（予想：61.6億ドル）
　　ナイキブランド：108.9億ドル（予想：106億ドル）
　　　北米：48.6億ドル（予想：44.7億ドル）
　　　EMEA：28.1億ドル（予想：27.8億ドル）
　　　中華圏：17.3億ドル（予想：18.4億ドル）
　　　アジア太平洋・中南米：14.7億ドル（予想：15.1億ドル）
　　グローバルブランド：0.12億ドル（予想：0.10億ドル）
　　シューズ：72.1億ドル（予想：71.1億ドル）
　　アパレル：31.9億ドル（予想：30億ドル）
　　用具：4.77億ドル（予想：4.74億ドル）
　　コンバース：4.05億ドル（予想：4.46億ドル）
・粗利益率：44.8％（予想：41.9％）
・在庫：79.8億ドル（予想：76.5億ドル）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

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