レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/05/29 00:30
ドル離れが叫ばれている中、ドルは今年に入って既に約7%下落している。これに対してアナリストは、ドルの明確な下落要因は見当たらないものの、重大な構造変化が迫っている可能性もあると指摘。具体的には、中国との貿易交渉に組み込まれた暗黙の合意がドルを15%下落させる可能性があるという。
特に中国との合意に伴うドル安は、20年ぶりの長期的なドル安を引き起こす可能性があると指摘。これにより米国の輸出競争力が向上し、製造業が強化され、米国内消費を支援することで、それが中国の消費者にも恩恵が及ぶ可能性があるという。慎重で長期に渡る貿易合意プロセスよりも、ドル安は手っ取り早いウィン・ウィンの解決策だとも付け加えた。
そこで、ドルが実際に下落した場合に大きく恩恵を受ける可能性がある銘柄をいくつか挙げている。基準として、海外、特に中国への依存度が高く、かつ外国に本社を置く競合相手と激しく競争している企業。さらに、商品依存型事業またはサービスとして価格決定力を持つ企業をピックアップしている。
◆ダナハー<DHR>、レプリジェン<RGEN>
医療分野ではライフサイエンスのダナハーとレプリジェンを取り上げている。ダナハー株は今年18%下落しているが、同アナリストの目標株価は230ドルで月曜日の終値比で約22%高い水準。「買い」の投資判断も維持。一方、レプリジェンも潜在的な勝者として指摘しているが、投資判断は「中立」としている。
両社は特に有利な立場にあると見ており、両社とも米国外売上高の割合が約55%と高い。
◆ナイキ<NKE>
消費者セクターで「買い」を推奨しているナイキは優位性を有しているという。同社は中国および世界全体との貿易収支の改善から恩恵を受けると指摘。25年度の予想ベースの売上高は52%が海外で、そのうちの15%が中国本土が占めると予測している。これらの売上高はドル安が進むにつれて拡大するという。
さらに、ドル安でユーロとスイスフランが上昇し続ける場合、同社の主要な競争相手であるアディダス、プーマ、オンが欧州企業であることから、同社の競争力はさらに向上する可能性があるという。今年の同社株は17%下落。同アナリストの目標株価は115ドルで火曜日の終値比で83%の上昇余地を示す。
◆ネットフリックス<NFLX>
同アナリストが「買い」を推奨しているもう1つの銘柄がネットフリックス。今年の同社株は36%上昇しており、1200ドルの目標株価をすでに上回っているが、ドル安は25年度売上高見通しの435億-445億ドルに達する際に支援材料となるはずだと指摘している。業界トップの営業利益率からも恩恵を受け、同業他社に比べてコンテンツ投資に回せる利益およびフリーキャッシュフロー(FCF)が増加する可能性があるという。
(NY時間11:25)(日本時間00:25)
ダナハー<DHR> 189.73(+0.55 +0.29%)
レプリジェン<RGEN> 121.14(-1.40 -1.14%)
ナイキ<NKE> 62.08(-0.76 -1.20%)
ネットフリックス<NFLX> 1212.00(+0.43 +0.04%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
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