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IAEAが緊急会合、イスラエル攻撃でイランの備蓄ウラン把握に支障

レポート

配信元:株探ニュース

投稿: 2025/06/16 22:01

 国際原子力機関(IAEA)は16日、イスラエルによるイランの核施設攻撃とそれに伴う高濃縮ウラン備蓄の監視に対する障害を協議するため、緊急会合を開催した。IAEAは12日にもウィーンで理事会を開き、イランが国際義務を履行していないとする決議を採択。

 この決議から24時間も経たないうちに、イスラエルはイランの核施設を爆撃するとともに同国の核化学者を殺害、テヘランの住宅地を空爆した。IAEAの査察団はテヘランに留まり、安全な状況が確保され次第査察を再開する意向だと発表文で説明。イスラエルとイランの双方に最大限の自制を呼び掛けた。

 イスラエルの攻撃で、イランの高濃縮ウラン備蓄状況をIAEAが把握する能力に著しい支障が生じた。イランは核保有を決断すれば、短期間で核爆弾10発分の燃料に転用できる高濃縮ウランを保有しているとされる。

 IAEA査察団はイランの核施設を1日1回以上訪れ、ウランの備蓄状況をグラム単位で調査していた。

 IAEAのグロッシ事務局長によると、イランのナタンズ濃縮施設では地上構造物が損傷したため、局所的な放射能汚染が発生した。ただ、同所の広大な地下の構造物には被害が及んでいないという。また、厳重な防御壁があるフォルドゥの濃縮施設では、損傷した兆候は見られていないとも指摘した。

 元IAEA査察官で核兵器技術者のケリー氏によれば、イランは400キログラムの高濃縮ウランを保有しており、3本か4本のシリンダーに入れて容易に隠すことができる。イスラエルが濃縮施設を破壊するとしても、高濃縮ウランの所在を突き止めることが必要になる。

株探ニュース

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