レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/09/08 21:33
米国の雇用者数の伸びは、政府が現在発表している数字よりも遥かに鈍かった可能性が指摘されている。夏に見られた採用減速よりも前から、労働市場が勢いを失っていたことを示すことになる。複数のエコノミストが指摘。
米労働統計局(BLS)が明日9日に発表する年次ベンチマーク(基準)改定の速報値によって、3月時点の雇用者数が現在推計されているよりも約80万人少なかったことが判明すると予想。それは月平均で約6万7000人の下方修正に相当。修正幅が100万人近くに達する可能性もあるとの見方も出ている。
BLSは年に1回、3月までの1年間の雇用者数を見直す。ベンチマーク改定は、速報性に欠けるものの正確性の高い「四半期雇用・賃金調査(QCEW)」を基に行われる。QCEWは州失業保険税の記録を基に作成され、全米の雇用者の大部分をカバーする。ベンチマーク改定は毎月の雇用統計で行われる通常の改定とは別のもの。
ベンチマーク改定での修正は過去の雇用動向を示す古いデータに過ぎないが、大幅な下方修正となれば、昨年の労働市場の勢いが予想以上に弱かったことが浮き彫りになり、FRBによる一連の利下げ観測を後押しすることになる。
エコノミストの1人は「2025年3月までの雇用者の伸びに大幅な下方修正があったとしても、直近数カ月のデータの場合に比べ、金融政策への影響は限定的」としつつ、「経済の全体像を把握する上では重要な材料になる。他の条件が同じであれば、雇用の下方修正はFRBに金融緩和を促す圧力になる」と指摘した。
また、昨年に続き雇用統計が大幅修正されることになれば、統計の正確性に疑問を呈してきたトランプ大統領の批判を再び招く可能性もある。
別のエコノミストからは「3月までの1年間についての「改定の大半は、トランプ政権以前の雇用動向を反映。従ってトランプ大統領は、自身が引き継いだ経済が想定よりも遥かに弱かったと主張することができる」と述べた。
別のエコノミストは、「昨年のデータが大きく修正されれば労働市場を見極める出発点が見えてくるが、FRBが最も気にかけているのは労働市場が勢いを失いつつあるという事実であり、労働市場が既に転換点を迎えていた可能性が高いという事実だと思う」と語っている。
株探ニュース
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