レポート
配信元：株探ニュース
投稿: 2025/10/07 22:23
世界貿易機関（ＷＴＯ）は、２０２５年の世界貿易見通しを上方修正したものの、来年の見通しは芳しくないと警告した。
ＷＴＯによると、２０２５年の世界貿易量は従来予想を上回る伸びを示す見通しだが、地政学的緊張、供給網の再構築、政府閉鎖や関税リスクなどの不確実性が、翌年の成長を抑制する可能性があるとしている。
ＷＴＯは声明で「世界経済の回復は進行中だが、貿易の持続的拡大を阻む構造的リスクが依然として残る。特に新興国の需要減速や主要国の保護主義的政策が下振れ要因になる」と指摘した。
２０２５年の世界貿易量の伸びは２．４％と予測。これは、８月時点の０．９％から大幅に上方修正された。しかし、翌２０２６年については悲観的で、貿易量成長率の予測を１．８％から０．５％へ下方修正している。
報告書は「２０２６年は世界経済の減速と、引き上げられた関税の全面的な影響が通年で表れることにより、貿易成長が鈍化する見通し」だと説明した。
ＷＴＯのイウェアラ事務局長は、「各国が関税変化に対して慎重に対応したこと、ＡＩの成長可能性、そして新興国を中心とした国際貿易の拡大が、２０２５年の貿易減速を和らげた」と述べた。また「２０２５年の貿易の底堅さは、ルールに基づく多国間貿易体制がもたらした安定性によるところが大きい。しかし、いまのままで満足すべきではない」と強調。
「現在の国際貿易システムの混乱は、各国が貿易の在り方を再考し、より持続的で広く繁栄をもたらす仕組みを共に築くべきという警鐘だ」と結んでいる。
株探ニュース
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