レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/10/07 23:41
第2四半期のドル建て外貨準備高は表面的には増加したものの、実際にはドル需要がじわじわと減退している兆しが見られる。ブルームバーグが伝えた。
IMFが公表した第2四半期の通貨別外貨準備データによると、ドルの準備高は名目上は増加しているが、これは米国債価格の上昇による評価益を反映した結果に過ぎない。米国債価格上昇分を除いた実質ベースで見ると、ドル準備はむしろ小幅に減少している。
同様の調整を他通貨にも適用し、為替変動の影響を含めた「実際の純買い入れベース」で見ると、ユーロ準備は名目で2000億ドル超分増加しているが、その大部分は評価効果によるもの。調整後でもユーロ準備は約500億ドル増加している一方、ドル準備は減少しているという。
総合的に見ると、ドル準備は2023年半ばのピークから実質ベースで約4000億ドル(約10%)減少している。ただ、これは確かに下落ではあるが、直ちに警戒すべきレベルではないという。
とはいえ、重要な点を見落としてはならない。通常、ドルの下落局面では各国の準備当局はドルを買い支える(ネット買い)動きを見せるのに対し、今回は売り越しとなっている。
ドル安の裏側では他通貨が上昇する。これまで各国の外貨準備運用者は、自国通貨高を抑えるためにドル買い・自国通貨売りを行ってきたが、今回はそれを行っていない。
これは、ドル保有を増やすことへの慎重姿勢を示しており、背景にはドルの「地政学的兵器化」リスク、米国の対外政策・関税措置への警戒感などがあると見られている。
市場では議論が極端に二分されがちだ。ドルへの関心が低下しているという指摘は、外国勢がドルを一斉に手放すと誤解されやすい。しかし、実際には、そうした急激な流出は起きていない。ただし、その逆もまた誤りで、貿易摩擦などの影響を受けてもドル需要は不変という見方も現実的ではない。
実際、ここ5年ほどの推移をみると、ドル準備の全外貨・金準備に占める比率は52%から40%へと低下しており、外国のドルに対する姿勢はゆっくりと、しかし着実に変化している。従って、今年の出来事を経てもドルはいつも通りという楽観的な前提は、現実とぶつかった瞬間に崩れ去るだろうと論じている。
株探ニュース
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