レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/11/05 01:12
米議会は現在、史上最長の政府閉鎖記録に迫っているが、トランプ大統領は共和党議員に対し、明快な処方箋を提示した。上院でフィリバスター(議事妨害)を廃止せよというもの。大統領は「フィリバスターをいますぐ廃止し、このばかげた政府閉鎖を即座に終わらせろ」と投稿。
民主党は10月1日に始まった政府閉鎖以来、つなぎ予算案の可決を13回阻止するためにフィリバスターを使用してきた。
立法の研究者はフィリバスターに以下のように論じている。フィリバスターは憲法に明記されておらず、上院規則にも名称としても登場しない。その起源は1917年、第1次世界大戦下の国家安全保障上の懸念から、上院が議事終結を3分の2の賛成で成立できるルール22を導入したことに始まる。1975年には賛成60票に引き下げられ、これにより市民権法案などの採決がより容易になった。
ただ、その結果として少数派が議事終結を妨げて法案を停滞させることが可能となった。60票という壁は現代では超党派での法案成立以外には、ほぼ到達不可能な障害ともなっているという。
フィリバスターを巡る議論はしばしば、現状維持か完全廃止かという二元論的な構図で語られるが、両極端の間には建設的な改革案も存在する。例えば、議事終結の閾値を60票から55票に引き下げる案は、少数派の発言権を残しつつも完全な拒否権を排除できる。上院は過去にも閾値を引き下げた前例がある。
別案として、過半数+少数派から一定数の賛成を求める方式も考えられる。これにより民意をより正確に反映しつつ、法案への一定の超党派支持を確保できる。
さらに、「トーキング・フィリバスター」の復活も選択肢の一つ。反対する議員に実際に議場に立って発言を続けることを求めることで、真の信念に基づく抵抗と、単なる党派的な遅延戦術を区別できるようになる。これにより、立法の停滞責任を少数派に戻すことができる。また、フィリバスターの適用範囲を限定し、最終採決のみに使用を認めることで、前段階の手続き的な妨害を防ぐ方法もある。
共和党のチューン上院院内総務(サウスダコタ州)は、トランプ大統領の主張を否定し、「フィリバスターを廃止する考えはない」と述べた。だが、次に民主党が政権と議会を掌握した際には、トランプ大統領の発言を根拠に自らフィリバスター廃止を正当化する可能性がある。その場合、共和党には反論の余地がほとんど残らないだろう。
フィリバスターの乱用と濫用は、現在のような緊急時でも上院が機能不全に陥る一因となっている。だが、その改革は衝動的なSNS投稿ではなく、制度設計に基づく慎重な議論のもとで行われるべきだとしている。
株探ニュース
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