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ビットコイン、人気になるほ...

ビットコイン、人気になるほど保有する本来の理由付けは弱くなる

レポート

配信元:株探ニュース

投稿: 2025/12/05 00:36

*ビットコイン(ドル)(NY時間10:36)(日本時間00:36)
92625.56(-1096.53 -1.17%) 高94155.94 安91846.00
円建参考値 1432万4543円(-169578 -1.17%)

 ビットコインは10月初旬に史上最高値の約12万6000ドルを付けた後、25%超急落し、足元は9万2000ドル台で推移している。それでも、米バンガードが暗号資産ETFや投信の受け入れを解禁するなど、主流投資家の受け入れは加速している。

 大きな転機は2024年1月の現物ビットコインETFの承認で、iシェーズビットコイン・トラストなどが登場後、僅か2年弱で1000億ドル超を集め、価格上昇を後押しした。トランプ政権の誕生も暗号資産業界への追い風となっている。

 しかし、こうした受容拡大は、ビットコインを買うにあたっての元来の理論的根拠を弱めている。それは、伝統資産との低相関による「分散効果」の役割だ。長年、ビットコインは株式や債券と異なる値動きをすることから、1-4%程度保有であれば、ポートフォリオの安定性が高まるというロジックで語られてきた。ところが、その前提が揺らいでいる。

 CMEグループの分析によると、2014-2025年の期間におけるビットコインと株式の相関係数は平均+0.2と低いものの、2020ー2025年であれば、+0.5前後に上昇し、S&P500やナスダック100とも同様の傾向を示しているという。つまり、直近のビットコインの値動きは株式市場と連動しやすくなっていることを意味する。

 その背景には、ETFを通じて流入した莫大な資金に象徴されるように、一般投資家や機関投資家が株と同じ感覚で売買するようになったことが背景にある。今年は10月までにETFに240億ドルが流入したが、足元の1カ月では30億ドルが流出。典型的な「上昇局面で買い、下落局面で売る」といった行動が価格を動かしている。

 その結果、ビットコインは本来の株式とは異なる避難先という性質が薄れ、リスク選好局面で買われ、リスク回避で売られる、「株式の仲間入り」をしつつある。

 それは、株式などのリスク資産のヘッジ手段としての意味を成さないことになり、保有する理由は弱くなる。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美


株探ニュース

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