レポート
配信元:MINKABU PRESS
投稿: 2021/08/10 22:53
映画館運営のAMCエンターテインメント<AMC>が引け後に4-6月期決算を発表しており、1株損益の赤字が予想ほど膨らまなかったほか、売上高が予想を上回った。入場者のチケット販売および飲食とも予想を上回る売上高を示した。入場者数は2210万人まで回復。ただ、自宅でのストリーミング配信との競争に苦労していることも示されている。
同社は今年の代表的なミーム株の1つとなり、株価は10ドル未満から一時72ドル以上に急騰した。これにより経営陣は現金を調達し、借り換えを行い、破産を食い止めることができた。しかし、借入金は長期債務とリースで104億ドル超と高水準が続いている。同社は現在、20億ドル超の現金と未使用の回転信用枠を持っている。
同社のアロンCEOは個人投資家が株主の過半数を占めている状況を自身の成功の鍵とみなしている。同CEOは小口の個人投資家に新作映画と伴に無料のポップコーンやコーヒーのサービスなど、米国では珍しい株主優待を実施した。
アナリストからは、「米国内の入場料と売店の売上高の増加、および劇場運用の効率化が第2四半期を牽引した。経営陣による劇場・映画館などの興行系統の増加の動きは今後、新作映画の公開が増加し、劇場公開と家庭向け配信との時間的格差が元の状態に戻れば、2022年以降に追い風になる。その場合、EBITDAは2023年までにパンデミック前の水準以上に回復する可能性がある」と指摘している。
(4-6月・第2四半期)
・1株損益(調整後):-0.71ドル(予想:-0.94ドル)
・売上高:4.45億ドル(予想:3.82億ドル)
入場者:2.33億ドル(予想:1.97億ドル)
飲食:1.61億ドル(予想:1.29億ドル)
・入場者数:2210万人
米国:1780万人
海外:427万人
・EBITDA(調整後):-1.47億ドル
(NY時間09:39)
AMC<AMC> 36.29(+2.49 +7.37%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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