レポート
配信元:フィスコ
投稿: 2024/08/08 17:30
*08:30JST NYの視点:米国のリセッション懸念は行き過ぎとの見方も、週次失業保険申請件数に注目
米7月雇用統計で失業率が予想以上に上昇したほか、非農業部門の雇用者数の伸びも予想以上に鈍化したため労働市場の冷え込みで米国経済が軟着陸できずに景気後退入りするとの懸念が強まった。連邦準備制度理事会(FRB)も積極的な利下げを強いられるとの思惑が強まり9月の連邦公開市場委員会(FOMC)を待たず緊急利下げの可能性が浮上したことに加え、短期金融市場は9月に0.5%、11月に0.5% 12月に0.25%程の利下げを織り込んだ。
一方で、高インフレで消費の減速している兆候があるもののリセッション懸念は行き過ぎとの見方も見られる。雇用の伸びは鈍化したとはいえ、依然プラス成長となっている。国内総生産(GDP)も4-6月期速報は+2.8%と、1-3月期の+1.4%から伸びが拡大。アトランタ連銀の7-9月期GDPの現在の見通しは+2.9%と、4-6月期から一段と伸びが拡大する予想となっている。
2008年の金融危機を予言し、「ドクタードゥーム(破滅博士)」との異名もあるエコノミストのヌリエル・ルービニ氏は市場が「悲観的になり過ぎ」との考えを示した。7月FOMCですぐにでも利下げすべきと主張していたダドリー前NY連銀総裁は、「緊急利下げの可能性は非常に少ない。しかし、利下げは必要」と繰り返した。
金融正常化に向けたFRBの利下げ基調に変わりはないが、積極的な利下げ予想は現状で時期尚早と見る。パンデミック後、遅行指標となる雇用統計よりも労働市場の最近の動向を判断するうえで、注目される週次失業保険申請件数に注目が集まる。7月27時点の失業保険継続受給者は21年11月来の高水準に急増した。増加基調が確認されると利下げ観測が再び強まりドル売りに拍車をかけると見る。
<NH>
最新人気記事
本日の市況
関連サイト
投資・お金について学ぶ入門サイト
みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の株価予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。『ブログ』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしたり、売買シミュレーションができる『株価予想』機能も、無料でご利用いただけます。
【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。