レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2024/09/10 10:22
アナリストが中国経済への慎重な見方を強めている。2週間半に渡る中国訪問の後にアディダス、バーバリー、そしてグッチの親会社であるケリングの投資判断を引き下げた。
同アナリストはブランド、高級ショッピングモール、小売業者、投資家、その他の業界専門家を訪問したうえで、現地の雰囲気は経済低迷が構造的なものであるという見方を強め、6カ月前の訪問よりも遥かに低迷しているという。
中国経済の高成長期は終わり、金融および不動産セクターは圧力の下にあり、もはや金のなる木とはみなしていない。また、民間セクターが縮小の一方で国営企業が拡大している点、ハイテクセクターの好況は他のセクターほど多くの億万長者を生み出す可能性は低いとも結論づけている。
同アナリストは、中国での高級品市場の改善には3ー4年程度を要する可能性があり、2025年における高級品セクターの成長見通しを7%から4%に下方修正した。
バーバリーの投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価を先週末終値よりも11%低い水準としている。バーバリーは中国のエクスポージャーの割合が高く、それは高級ブランドとしてのポジショニングを危険にさらし、ブランド資産に長期的な影響を及ぼす可能性があるという。また、2025年前半には赤字に転落する可能性が高いとも言及した。
グッチは中国での販売減少が依然として大きく、同業他社よりも深刻な状況にあるという。親会社のケリングの投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価も先週末終値よりも11%低い水準に設定。
一方、スポーツ用品に対する見解も同様。第2四半期以降ほとんどのブランドが実店舗への来店者数の減少を報告しており、同アナリストによる中国での店舗調査では、この傾向は夏にかけてさらに悪化を示しているという。オンライン市場は活況を呈しているが、これは値引きなどのプロモーション活動によるものだとしている。そのうえでアディダスの中国での粗利益率は過去の30%台から20%台前半にまで落ち込むだろうと述べ、投資判断を「中立」に引き下げている。
半面、中国経済の減速の影響を完全に免れているわけではないが、それでも2桁成長を達成できる可能性があるエルメスなどを選好している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
最新人気記事
本日の市況
関連サイト
投資・お金について学ぶ入門サイト
みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の株価予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。『ブログ』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしたり、売買シミュレーションができる『株価予想』機能も、無料でご利用いただけます。
【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。