アバクロンビーが決算受け大幅高　ただ、アナリストからは慎重な意見も＝米国株個別

（NY時間14:41）（日本時間03:41）
アバクロンビー<ANF>　88.30（+11.15　+14.45%）

　アパレル販売のアバクロンビー＆フィッチ<ANF>が大幅高。取引開始前に２－４月期決算（第１四半期）を発表し、既存店売上高が予想以上の増収を示したほか、１株利益、売上高とも予想を上回った。ホリスターが好調だった。

　ガイダンスも公表し、通期の１株利益の見通しは下方修正していたものの、売上高についてはレンジ上限を上方修正している。今回の見通しには関税の影響を含むとしており、通年で５０００万ドル、売上高比で約１％の影響を見込んだ。

　同社は「アバクロンビーブランドの売上高の伸びは年後半に戻る」と述べている。「同ブランドは引き続き良好な客足動向を示しており、新規店舗からの生産性向上と周辺のデジタル販売の伸びを継続して確認している」と述べた。

　ただ、アナリストからは慎重な意見も出ている。「同社のブランドの弱点が第１四半期に明確に示されている。見通しに対する懐疑的な見方が事前に強まっていた分、株価は高水準の売り残を背景に予想よりも良い反応を示しているものの、根本的な状況悪化は覆い隠されている」と指摘した。

　浮動株に対する売り残の割合、いわゆる売り残比率は１４％まで上昇していた。

（２－４月・第１四半期）
・既存店売上高：4.0％増（予想：2.9％増）
　　アバクロンビー：10.0％減（予想：4.8％減）
　　ホリスター：23％増（予想：10.9％増）
・１株利益（調整後）：1.59ドル（予想：1.40ドル）
・売上高：11.0億ドル　7.5％増（予想：10.7億ドル）
　　アバクロンビー：5.48億ドル（予想：5.73億ドル）
　　ホリスター：5.49億ドル（予想：4.97億ドル）
　　　米州：8.75億ドル（予想：8.43億ドル）
・営業利益（調整後）：1.02億ドル（予想：0.92億ドル）

（５－７月・第２四半期見通し）
・１株利益：2.10～2.30ドル（予想：2.48ドル）
・売上高：3～5％増
・営業利益率：12～13％

（通期見通し）
・１株利益：9.50～10.50ドル（従来：10.40～11.40ドル）（予想：10.59ドル）
・売上高：3～6％増（従来：3～5％増）
・営業利益率：12.5～13.5％（従来：14～15％）

【企業概要】
　米国内及び世界で、自社の販売店・オンラインサイト・アウトレット店舗・フランチャイズ店舗等を通して、流行に敏感な世代向けにアパレル製品を販売する。紳士・婦人・子供服のほか、バッグ等のアクセサリーやフレグランス等を取り扱う。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース