アドビ、好決算も時間外で下げに転じる＝米国株個別

（NY時間16:51）（日本時間05:51）時間外
アドビ<ADBE>　411.50（-2.18　-0.53%）

　アドビ<ADBE>が引け後に３－５月期決算（第２四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、予想を上回る第３四半期の売上高見通しを示したほか、通期の見通しも上方修正している。

　ナラヤンＣＥＯは声明で「ビジネスプロフェッショナルやコンシューマー、クリエイティブ・マーケティング専門職向けに革新的な製品を届けるという、われわれの戦略が顧客に好評で、通期の売上高見通しを上方修正した」と述べた。

　ただ、株価は発表直後こそ時間外で上昇の反応を見せたものの、下げに転じている。好決算ではあったが、生成ＡＩに特化した新興企業の台頭を前に、同社がソフトウェア業界のリーダーとしての地位を維持できるかについて、市場は依然として懐疑的なようだ。

　同社は近年、フォトショップやプレミア・プロなどの製品群に生成ＡＩ機能「ファイヤーフライ」を組み込み、ＡＩツールの強化を進めている。昨年２月には動画生成ＡＩの個別サブスクリプションも開始し、オープンＡＩやランウェイなどの競合に対抗している。しかし、キャンバやミッドジャーニーといった新興勢力の台頭により、投資家からは「同社はＡＩ競争に出遅れている」との懸念も出ている。

　ただ、アナリストは「同社はなぜかＡＩ競争の敗者と見なされているが、それは誤解だ」と反論している。

（３－５月・第２四半期）
・１株利益（調整後）：5.06ドル（予想：4.98ドル）
・売上高：58.7億ドル　11％増（予想：58.0億ドル）
　　デジタルメディア：43.5億ドル（予想：42.9億ドル）
　　デジタル体験：14.6億ドル（予想：14.4億ドル）
　　サブスク：56.4億ドル（予想：55.6億ドル）
　　製品：8800万ドル（予想：9360万ドル）
　　サービス・その他：1.44億ドル（予想：1.43億ドル）
・営業利益（調整後）：26.7億ドル（予想：26.2億ドル）
・残存履行義務：196.9億ドル（予想：197.4億ドル）
・デジタルメディア年ベース経常収益（ARR）：180.9億ドル（予想：180.9億ドル）

（６－８月・第３四半期見通し）
・１株利益（調整後）：5.15～5.20ドル（予想：5.11ドル）
・売上高：58.8～59.3億ドル（予想：58.8億ドル）
　　デジタルメディア：43.7～44.0億ドル（予想：43.4億ドル）
　　デジタル体験：14.5～14.7億ドル（予想：14.7億ドル）
　　デジタル体験サブスク：13.5～13.6億ドル（予想：13.6億ドル）

（通期見通し）
・１株利益（調整後）：20.50～20.70ドル（従来：20.20～20.50ドル）（予想：20.40ドル）
・売上高：235.0～236.0億ドル（従来：233.0～235.5億ドル）（予想：234.7億ドル）
　　デジタルメディア：174.5～175.0億ドル（従来：172.5～174.0億ドル）（予想：173.5億ドル）
　　デジタル体験：58.0～59.0億ドルを維持（予想：58.5億ドル）
　　デジタル体験サブスク：53.8～54.3億ドルを維持（予想：51.5億ドル）
　　デジタルメディアARR：11％増を維持

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース