レポート
配信元:フィスコ
投稿: 2025/06/23 08:08
*08:08JST NYの視点:【今週の注目イベント】パウエルFRB議長の議会証言、米GDP・PCEコア価格指数、中東情勢、東京CPIなど
今週は、引き続き中東情勢を睨む展開となる。トランプ大統領は、今後2週間内に、イスラエル・イラン対立で米国の軍事関与を巡る判断を下すと述べたものの、日本時間6月22日午前、イランの3つの核施設に対する攻撃を行った。ロシアと中国はイラン核施設に対する米国の攻撃を強く非難し、ロシア外務省は「主権国家の領土をミサイルや爆弾で攻撃する決定は、国際法、国連憲章、国連安全保障理事会の決議に明白に違反している」、中国外務省は「国連憲章の重大な違反で、中東の緊張を悪化させる」と指摘した。両国はイスラエルなど紛争当事者に対し、攻撃を停止し、対話と交渉を開始するよう求めている。外為市場では安全逃避の米ドル買いが観測されているが、原油高が予想されており、世界経済の不確実性は大幅に高まることから、一部の市場参加者はドル高が長く続く可能性は低いとみている。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は米国の上下議会で金融政策や経済を巡り証言を予定している。さらに、米国ではFRBがインフレ指標として重視するPCEコア価格指数の発表に注目が集まる。米国財務省は国債入札を予定しており、引き続き外国資本による米国証券投資動向に焦点が集まる。
FRBは今月開催したFOMCで、関税や中東情勢を巡る不透明感が存続していることを理由に予想通り、政策金利維持を決定した。パウエル議長は多くの不透明感にもかかわらず経済には柔軟性があるとの見方で、今後数カ月、関税がインフレを押し上げると想定していることを明らかにした。トランプ大統領が、2.5ポイントの利下げが適切と指摘する中、議長は証言で、議員による利下げ圧力に直面する可能性も予想される。
日本では全国消費者物価指数(CPI)が予想を上回り追加利上げ観測が強まった。今週は、東京都区部のCPIに注目。6月の生鮮食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.4%上昇と、前月(3.3%上昇)から加速する見通し。
5月の米個人消費支出(PCE)統計では、PCEコア価格指数が前年比+2.6%と、4月の+2.5%から加速する見通し。想定通りとなった場合は、利下げはさらに遠のく。アパレルなど、中国に依存する商品カテゴリーでは関税の転嫁が確認されているが、航空運賃やポートフォリオ管理、病院サービスを含むサービスカテゴリーでのデフレ圧力により一部相殺されている兆候が見られる。ドルはFRBの利下げの可能性を睨み、方向感を探る展開が続くと見る。
■今週の主な注目イベント
●24-25日NATOサミット、トランプ大統領参加
●米国
22日:デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が講演、米アフリカ、サミット
23日:製造業&サービスPMI、中古住宅販売
24日:コンファレンスボード消費者信頼感、パウエルFRB議長が下院金融サービス委で証言
ウィリアムズ米NY連銀総裁がイベントであいさつ、2年債入札
25日:新築販売、パウエルFRB議長が上院銀行委で証言、5年債入札
26日:1-3月期国内総生産(GDP)確定、耐久財受注、週次失業保険申請件数、ハマック米クリーブランド連銀総裁、バーFRB副議長、バーキン米リッチモンド連銀総裁が講演、7年債入札
27日:コアPCE、ミシガン大消費者信頼感
●欧州
23日:ユーロ圏製造業、サービスPMI、EU外相会議、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演、グールズビー米シカゴ連銀総裁が司会、ウィリアムズ米NY連銀総裁やクーグラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事がイベント参加
24日:独IFOビジネス
27日:ユーロ圏消費者信頼感
●日本
23日:auじぶん銀製造業PMI
25日:日銀田村審議委員が講演
27日:東京CPI、失業率、小売売上、個人消費支出、コアPCE、ミシガン大消費者信頼感、FRBが大手銀ストレステスト結果発表、クックFRB理事、ハマック米クリーブランド連銀総裁がイベント参加
●英
23日:製造業&サービスPMI
24日:ベイリー英中銀総裁が証言
●カナダ
24日:CPI
27日:GDP
<CS>
最新人気記事
本日の市況
関連サイト
投資・お金について学ぶ入門サイト
みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の株価予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。『ブログ』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしたり、売買シミュレーションができる『株価予想』機能も、無料でご利用いただけます。
【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。