ダウ先物は上昇　ＩＴ・ハイテクは好調も、他のセクターは鈍い動きも＝米国株

米株価指数先物（9月限）（NY時間08:40）（日本時間21:40）
ダウ先物　44137（+57.00　+0.13％）
S＆P500　6378.75（+12.25　+0.19％）
ナスダック100先物　23523.00（+26.75　+0.11％）

　きょうの米株価指数先物市場でダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも上昇。前日は、トランプ関税が発効する中、大統領は輸入半導体チップに１００％の関税を課すと表明。しかし、「米国内で生産している、または生産を約束している企業」には適用されないと発表したことを受け、アップル<AAPL>を中心にＩＴ・ハイテク株が上昇。ナスダックは終値ベースで最高値を更新していた。

　ただ、その他のセクターについては、関税による景気への影響が懸念される中、鈍い動きも見られ始めている。一部からは「今後の投資家の関心は引き続きトランプ関税の行方になるだろう。関税に伴う混乱は４月よりは若干減ったが、それでも混乱の可能性は十分に残っている。企業の意思決定やサプライチェーン、コスト、利益率、価格設定、消費者への影響など、まだまだ多くの疑問がある」との声も出ている。「関税に伴う不確実性は依然として非常に大きく、現時点で最重要課題として解決される必要がある」とも指摘した。

　もう一つの大きな焦点であるＦＲＢだが、前日終盤にトランプ大統領が、退任を表明しているクーグラーＦＲＢ理事の後任にミランＣＥＡ委員長を来年１月末まで暫定的に指名する人事を発表。今後、上院での審議に移るが、ミラン氏はあと年内３回のＦＯＭＣ全てで利下げを求めることが予想される。

　しかし、先週の米雇用統計を受けて市場はすでに年内２回の利下げを完全に織り込んでいるほか、３回の可能性も３５％程度で織り込んむ中、さほど現状の認識から逸脱してしていないと見ており、米株式市場も様子を見ているようだ。

　米株式市場には８月は弱い月との経験則がある。先週の米雇用統計でその懸念が再度強まったが、今週の値動きを見た限りにおいては、まだ底堅さは堅持しているようだ。

　コモディティ市場で金先物が上昇しており、ニューモント<NEM>などの関連株が上昇。トランプ政権が１キロ金地金に関税を課したと伝わった。主にスイスに打撃を与える見込みで、同国は３９％の貿易関税の再交渉を模索している。

　デジタル画像検索収集サイトのピンタレスト<PINS>が決算を受け時間外で大幅安。米国とカナダのユーザー数が１億２００万人と前四半期から横ばいだったことを嫌気している模様。同地域は売上高の大部分を占める。

　オンライン旅行のエクスペディア<EXPE>が決算を受け時間外で大幅高。通期のグロスブッキングの見通しを上方修正した。今回のガイダンス上方修正は、上半期に軟化していた米国の旅行市場の反転の兆しとの指摘も。

　決済サービスのブロック<XYZ>が決算を受け時間外で上昇。ビットコインの評価の調整によって１株利益が１１％下振れしたものの、それを粗利益の３％上振れと、決済アプリであるキャッシュ・アプリおよびスクエアの堅調な動きで補った。

ピンタレスト<PINS>　34.38（-4.79　-12.23%）
エクスペディア<EXPE>　215.50（+27.89　+14.87%）
ブロック<XYZ>　82.95（+6.10　+7.94%）

ニューモント<NEM>　69.50（+0.43　+0.62%）
バリック・マイニング<B>　23.30（+0.23　+1.00%）

アップル<AAPL>　221.15(+1.12　+0.51％)
マイクロソフト<MSFT>　521.00(+0.16　+0.03％)
アマゾン<AMZN>　223.82(+0.69　+0.31％)
アルファベットC<GOOG>　198.01(+0.73　+0.37％)
アルファベットA<GOOGL>　197.26(+0.74　+0.38％)
テスラ<TSLA>　321.80(-0.47　-0.15％)
メタ<META>　762.60(+0.77　+0.10％)
エヌビディア<NVDA>　181.79(+1.02　+0.56％)
ＡＭＤ<AMD>　174.95(+2.55　+1.48％)
イーライリリー<LLY>　651.75(+10.89　+1.70％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース