レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/07/24 00:25
日本と米国との貿易合意により世界は今後、日本からの資本流入が減少する可能性があるとの指摘が出ている。今回の米国との貿易合意により、日本は今後、米国債やその他の外国株・債券をこれまでほど購入する必要がなくなる可能性があるという。日本が合意した15%の関税と米国への直接投資のコミットは、市場からは「勝利」と受け止められ、日本株は大幅高となっていた。しかし、長期的に見れば、この合意は日本勢による外国資産への需要が減少することを意味する可能性があるという。
現在、日本の短期金利は上昇しているものの、一部のキャリートレーダーの間では、政治的な不確実性が日銀の利上げを抑制すると見る向きもいる。とはいえ、より重要なのは、世界の為替市場や資産市場に影響が大きい日本からの膨大な資本の動向だとしている。
過去20年を見ると、日本による外国証券(株式と債券)の購入額は、外国人による日本の証券購入額のほぼ3倍に達している。さらに時価ベースで見ると、外国証券の価値は日本証券よりも大きく上昇しているため、この差はさらに拡大しているという。
今回、日本に適用される15%の関税は、当初懸念されていたほど悪くはない。しかし、従来の平均関税率(約1.5%)に比べれば大幅な増加ではある。その負担の一部は消費者や業者に転嫁されるだろうが、結果的に日本の対米黒字を縮小させ、さらに言えば、日本全体の貿易黒字も縮小する可能性がある。なぜなら、米国市場は巨大であり、簡単に代替できるものではないためだ。
そうなれば、日本が海外に再投資できる資本は減少することになる。すでに日本では米国債への投資意欲が冷えつつあり、為替ヘッジを施せば米10年債利回りは日本の投資家にとって魅力的になっているにもかかわらず、購入は増加していない。
キャリートレードは、外国資産の価格上昇を支援する要素ではあるが、その規模は限られており、特に投機筋などのファストマネーによるキャリートレードは、日本からの本格的な資本流出に比べれば遥かに小さい。つまり、キャリートレードは短期的には円や高金利資産に影響を与えるものの、長期的により重要なのは、日本がどれだけの資本を持ち、それをどう使うのか。そして、今回の貿易合意がその資本にどう影響するかという点にあるという。
株探ニュース
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