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現在の快調な推移が厄介なサプライズを招く可能性

レポート

配信元:株探ニュース

投稿: 2025/08/28 04:29

 今週は8月の最終週だが、多くの人々は変動性よりもバケーションに気を取られている。そのような中、米株式市場は、地政学リスクや政策、貿易に関する懸念といった、上昇相場を終わらせる、あるいは少なくとも一時停止させてもおかしくはない数々の苦難を乗り越え、快調に推移している。

 だが、米大手銀のアナリストは、その状況は休暇から戻る投資家に厄介なサプライズを招くかもしれないと警告している。恐怖指数として知られるVIXは金曜日に14.22まで低下し、今年の最安値を記録した。ジャクソンホールでのパウエル議長の講演後だが、多くが議長の発言を利下げの可能性を示唆するものと受け止めている。

 問題は、この低水準のVIXが、投資家が危険なほどに自信過剰になっている可能性を示唆している点だという。実際には心配すべき材料が多いにもかかわらず。

 確かに株価は最近上下動しているが、S&P500とナスダックは8月半ばの高値から1%も下がっていない。S&P500は史上4番目に高い水準で取引を終えており、何か問題が起きたときに誤りを許す余地はほとんどない状況。

 潜在的な懸念の1つにAIブームの減速がある。これまで市場をけん引してきたが、その勢いが落ちている兆しが出れば、それは脅威となり得る。早ければ水曜日の引け後に予定されるエヌビディア<NVDA>の決算で明らかになるかもしれない。IT・ハイテク株のバリュエーションは高く、失望に耐える余地はあまりない。

 さらにFRBの独立性を巡る懸念も挙げられる。パウエル議長の任期は来年5月に切れ、トランプ大統領は自らの意向に従順な後任を望んでいる。

 また、スタグフレーションや利下げを見送らせる可能性を示す経済指標が出れば問題となる。投資家は9月16、17日のFOMCでの利下げを既定路線と考えているが、それが覆れば衝撃となろう。

 これらを踏まえ、上記のアナリストは、「現在のボラティリティ水準は持続不可能に見える」と警告している。夏を通じて新高値を付けたことから、一部の投資家は利益確定を余儀なくされるという。

 それでもアナリストは、今後数カ月でボラティリティが高まった時は株を買い増すべきと指摘。資産バブル形成中の調整はよくあることで、ボラティリティがまだ抑制されている点を踏まえれば、本当のピークはまだまだ先と述べている。

 従って、秋の下落は強力な押し目買いの好機になる可能性が高いという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

株探ニュース

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