レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/11/04 04:02
    (NY時間14:02)(日本時間04:02)
メタ<META> 641.94(-6.42 -0.99%)
 メタ<META>はAI開発競争で優位に立つための投資資金の一部として、10月に約600億ドルの調達に成功した。このうち半分は同社のバランスシート上の負債に出てこない。ブルームバーグが伝えた。
 メタは債務を完全にバランスシート外に置くという最近人気化している手法をとった。この手法は、財務の健全性に対する影響を抑えつつ、巨額の資金を調達できる。
 今回の600億ドルのうち半分は、オルタナティブ資産運用会社ブルー・アウル・キャピタルに関連する特別目的事業体(SPV)に負債として計上される構造で、モルガン・スタンレー<MS>がまとめたという。残り300億ドルをメタは比較的容易に、通常の手段に従って社債市場で先週調達した。
 銀行関係者によると、不動産・半導体などの資産に関連するSPVや合弁を通じた簿外債務は、AIデータセンターの資金調達で主流となりつつある。モルガン・スタンレーは、テクノロジー企業などによるプライベートクレジット取引を通じた資金調達需要は2028年までで8000億ドルに上ると見積もる。これにはメタのような、SPVを通じた手法も含まれる。
 テクノロジー大手は決算期を迎えているが、一部の負債は間接的に責任を負う取引構造に隠されている可能性がある。AI関連の債務が四半期ごとに約1000億ドル膨らむ状況の中、資金調達サイクルの速さに誰もが眉をひそめていると、ストラテジストは指摘した。しかも、資金調達のペースは加速しているという。
 こうした簿外債務や本体から切り離した事業体を利用した金融スキームには悪名高い歴史があり、債務の大きさに投資家を驚がくさせた有名なスキャンダルも幾つか起こした。2001年の米エネルギー企業エンロンの破綻は、バランスシート外の債務が引き金となった。2000年代後半には銀行がバランスシート外の事業体に移管することが常態化していた住宅ローンなどの債務を自行に戻さざるを得なくなり、最終的に危機が発生した。
 それ以降、会計基準や格付け規則は改正された。だが、金融エンジニアリングは再び戻ってきた。全ての支払い義務を容易に見出すことは可能なのか、疑問視する声もアナリストの間にはある。
 モルガン・スタンレーは「資本調達はまだまさに始まったばかりだ」と述べ、AIエコシステム全体で約1.5兆ドルの外部資金が必要で、発行体は多様な資金源を活用していくことになる」と指摘した。
 そうした資金調達では、誰が最終的に債務を保有するのか、新たな工夫が求められる。例えば、マスク氏が率いるxAIは、データセンター建設でSPVを活用した200億ドルの取引を進めているが、同社の債務責任はエヌビディア製半導体のリース料の支払いに限定されるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
    
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