レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/11/06 22:33
エヌビディア<NVDA>フアンCEOが水曜日、「中国はAI競争に勝利する」と発言したと英FT紙が報じた。しかし、報道から数時間後、エヌビディアはフアンCEOによるトーンを和らげた声明を公式のXアカウントで発表。
フアンCEOは英FT主催の「AI未来サミット」の場で、「エネルギーコストの低さと規制の緩さにより、中国はAI分野で米国を上回るだろう」と語ったとされる。
この発言が事実であれば、フアンCEOから最も明確に米国の後退リスクを示唆したコメントとなる。ただし、この発言内容は他メディアでは独自に確認されていない。
エヌビディアは声明で「中国は“ナノ秒差”で米国の後ろ」と言及。その後、数時間以内にフアンCEOの別のコメントを公表している。
「これまでも繰り返し述べているように、中国はAIで米国のナノ秒後方にいる。だからこそ、米国は開発者を取り込みながら先頭を走り続けることが重要だ」と述べた。
今回の声明は、米中間でのAI半導体輸出規制を巡る微妙な外交環境を意識し、軟化させた発言と見られている。
フアンCEOは以前から、米国がAI半導体の輸出規制を強化し過ぎると、開発者が中国製チップへ流れると警告していた。米政府に対し、「エヌビディアのAIチップを世界標準として維持すべき」と訴えてきた。ファンCEOは7月にトランプ大統領と会談。その後、米政府は規制緩和策を発表し、エヌビディアとAMD<AMD>が中国での売上の15%を米政府に納付する条件で、限定的な販売が許可されている。しかし、その後、中国政府はエヌビディア製チップを国家安全保障審査の対象とし、同社の市場シェアはゼロに低下した。フアンCEOは「中国市場へのアクセスは完全に凍結された」と述べていた。
専門家の中には、中国政府がエヌビディアの市場アクセスを貿易交渉や半導体技術の対米交渉カードとして利用しているとの見方もある。
英FTのインタビューによると、フアンCEOは西側諸国がシニシズム(冷笑主義)と過剰な規制によって成長を自ら制限していると懸念を表明。一方で中国は、国内開発者のコストを下げるためにエネルギー補助金を提供しており、AI開発環境で優位性を確保しつつあると指摘したという。
今回の一連の発言は、フアンCEOが米中両市場の狭間でバランスを取る難しさを象徴している。米国に対しては、「輸出規制緩和を訴えつつ、米国がAI競争に勝たねばならない」と主張。中国に対しては、AIエコシステムの勢いを評価し、対話の余地を残す発言している。
米中のAI覇権競争が激化する中で、ファンCEOは依然として両国間の技術の橋渡し役を果たそうとしている。
株探ニュース
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