レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/12/04 03:08
米大手銀のクオンツ戦略責任者は、今年の米株式市場は3年連続で2桁上昇を記録し、バリュエーションがすでに高水準に達しているため、2026年に大きな上昇余地は見込めないとの見方を示した。
同銀はS&P500が来年12月時点で約7100になると予想している。これは前日終値から約4%上昇した水準に過ぎない。S&P500は今年に入って約16%上昇し、前の2年はいずれも23%超の上昇となっていた。来年の米企業は2桁の利益成長を達成するものの、株価は鈍い値動きに留まる可能性に言及している。
また、マグニフィセント7や他のAI関連など一部の銘柄が上げを主導し、高バリュエーションも2000年のITバブル時を彷彿とさせるが、市場が同じ崩壊の道をたどる可能性は低いと述べている。ただし、大手IT企業がAIへの巨額投資をまだ十分に収益化できていないため、AI関連の失速に直面するリスクはあると警告した。
同ストラテジストは「現在は流動性が非常に潤沢だが、今後は増えるより減る方向だ」と述べ、自社株買いも減り、設備投資は増える。さらにFRBの利下げも少なく、景気が弱い場合に限られると指摘した。
強気シナリオならS&P500は8500(+24%)を予想。ただし、企業が大幅に市場予想を上回る利益を出した場合に限る。
弱気シナリオならS&P500は5500までの下落(-約24%)を予想。AIの追い風が期待通りの形にならず、マクロ環境の支援も不足した場合に起こり得る。
また、株式がバブルかとの問いには、そのリスクは認めつつも、2000年のようなクラッシュは想定していないという。理由として以下の点を挙げている。
・投資家の株式アロケーションは2000年より低い。
・企業利益の伸びが株価を支えている。
・投機的で赤字企業に対する過剰な熱狂は当時ほど極端ではない。
・2000年との類似点よりも違いのほうが多い。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
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