ダウ先物は続伸　ＡＤＰ雇用統計は利下げ期待を裏付ける内容＝米国株

米株価指数先物（12月限）（NY時間08:33）（日本時間22:33）
ダウ先物　47632（+88.00　+0.19％）
S＆P500　6857.50（+17.25　+0.25％）
ナスダック100先物　25655.75（+49.75　+0.19％）

　きょうの米株価指数先物市場、ダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも続伸。前日の反発の流れを本日も引き継いでいる。先ほど発表の１１月のＡＤＰ雇用統計は想定外の減少となった。通常第１金曜日に発表になる政府の米雇用統計は、米政府機関閉鎖の影響で１２月１０日のＦＯＭＣ以降になる。そのため、今回のＡＤＰはＦＯＭＣまでの参考雇用指標として注目されていたが、市場の利下げ期待を裏付ける内容となっている。

　投資家は年末ラリーの可能性を探っている。１２月は歴史的にも好調な月でもあり、１１月がＡＩ関連の高バリュエーションの調整などで低調な月だったため、その反動が出ると期待しているようだ。企業決算への期待も根強い。

　一部からは「ＡＩ関連の決算は今後も強いだろう。弱含んでいたセクターからの寄与も増え、景気循環に敏感な産業セクターや、過度に売り込まれているセクターで、価格決定力が改善してきている」といった声も出ている。その上で、「まだバブルとは思わない」とも付け加えた。

　市場は次期ＦＲＢ議長の人事に注目しているが、利下げ支持の新議長の就任観測が出ており、２６年は利下げペースが加速するとの見方を強めている。短期金融市場では、来週のＦＯＭＣを含めて、来年末までに４回の利下げが織り込まれている。一部報道で観測が浮上している、ハト派寄りのハセット米国家経済会議（ＮＥＣ）委員長が指名されれば、その可能性が高まると見ているようだ。トランプ大統領は来年早々にも公表するとしている。

　そろそろ来年の見通しが一部から出始めているが、今年の力強い上昇を受け、来年もさらに上昇との見方も示されている。Ｓ＆Ｐ５００のファンダメンタルズの見通しは、中期的には依然ポジティブに傾いているという。一方、「上昇軌道には大きな調整が断続的に入る可能性が高い」とも指摘。上昇過程は荒い展開になり、高バリュエーション、ＩＴ・ハイテク株への過度な依存、地政学リスクなどが上値を抑える要因になるという。

　サイバーセキュリティのクラウドストライク<CRWD>が下落。好決算も株価は時間外で冴えない反応。アナリストからは「業績は堅調で、特にＡＲＲのガイダンスが際立っているが、一定の保守性を織り込んでおり、慎重にも見える」との分析も聞かれた。今年の同社株は５１％上昇しており、若干物足りなさもあるようだ。

　ユーザー管理や分析レポートのソフトウエア開発のオクタ<OKTA>が決算を受け時間外で下落。好決算もアナリストからは、「同社の進行中の残存履行義務（ｃＲＰＯ）の伸びと受注残の見通しは、新規顧客の伸びの鈍化に加え、ＡＩエージェント向けセキュリティ分野での競争激化によって制約され続けていることを示している」との指摘も聞かれた。

　アパレルのアメリカン・イーグル<AEO>が決算を受け時間外で大幅高。通期の既存店売上高の見通しを上方修正した。姉妹ブランドの「エアリー」の回復が寄与した。

　半導体のマイクロチップ・テクノロジー<MCHP>が時間外で上昇。前日引け後にガイダンスを更新し、カスタムチップ設計部門での好調なトレンドを示し、投資家の懸念を和らげた。

（NY時間08:43）（日本時間22:43）時間外
クラウドストライク<CRWD>　510.75（-5.80　-1.12%）
オクタ<OKTA>　77.50（-4.37　-5.34%）
アメリカン・イーグル<AEO>　23.58（+2.75　+13.20%）
マイクロチップ<MCHP>　58.68（+1.97　+3.47%）

アップル<AAPL>　285.90(-0.29　-0.10％)
マイクロソフト<MSFT>　489.54(-0.46　-0.09％)
アマゾン<AMZN>　235.34(+0.92　+0.39％)
アルファベットC<GOOG>　316.39(+0.37　+0.12％)
アルファベットA<GOOGL>　316.04(+0.23　+0.07％)
テスラ<TSLA>　435.00(+5.76　+1.34％)
メタ<META>　648.49(+1.39　+0.21％)
エヌビディア<NVDA>　183.67(+2.21　+1.22％)
ＡＭＤ<AMD>　217.88(+2.64　+1.23％)
イーライリリー<LLY>　1045.19(-0.93　-0.09％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース