レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2022/08/30 11:41
●新型コロナウイルスに加えて今度はサル痘も
○世界保健機関(WHO)はサル痘の感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しました。米疾病対策センター(CDC)によると、米国内で4907人の感染が確認され、中でもニューヨーク市の感染者数は1247人となり、クラスターが発生したとみられます。世界全体の感染者数は2万804人となっています。ワクチンの要請が急激に増加していますが、供給量は少なく、米政府は250万回分のワクチンを発注しました。
○新型コロナウイルス関連データ:
⇒世界全体のワクチン接種回数は123億回となりました(6月末は121億回)。
米国は現時点で:
→人口の77.8%(同77.4%)が少なくとも1回はワクチンを接種したことになり、人口の66.4%(同66.3%)が2回の接種を終えました。人口の31.8%(同31.7%)がブースター接種を受けました。
→新規感染者数の7日間平均は7月末時点で12万7022人となり、6月末時点の10万8963人から増加しました。1日当たりの新規感染者数は2022年1月11日に141万7493人に達しました(2021年11月末時点は8万3120人)。また、死者数の7日間平均は439人に増加しました(6月末時点は377人)。
→米国の新型コロナウイルスによる累計死者数は102万9000人となりました(6月末時点は101万6000人)。
●各国中央銀行の動き(および関連ニュース)
○6月のFOMC議事録が公表され、インフレは成長よりも重視され、インフレが抑制されるまで利上げを継続する意向であり、次回会合でさらに0.50%または0.75%の利上げが行われることが示唆されました。
○地区連銀経済報告(ベージュブック)では、労働力不足がわずかに改善し、労働需要がやや低下していることに加え、住宅需要が落ち込んでいることが示されました。
○欧州中央銀行(ECB)は、11年ぶりに政策金利を引き上げました。利上げ幅は0.25%の予想に対して0.50%となり、2014年からマイナス圏が続いていた中銀預金金利は0%となりました。同行はまた、追加利上げを行う可能性を示唆しました。年内の会合は9月8日、10月27日、12月15日に予定されています。
○FOMCは6月に続き、7月も0.75%の利上げを実施しました。これまでの利上げ幅は、5月に0.50%、3月に0.25%、その前は2018年12月の0.25%に遡ります。6月は賛成10、反対1で、カンザスシティ連銀のジョージ総裁が0.50%の利上げを支持しましたが、今回の利上げは全会一致で決まりました。今回の利上げにより、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は2.25%~2.50%となりました。
⇒FOMCは、今後数ヵ月は継続的な利上げが適切であるとの考えを示しました。市場は9月も追加利上げが行われると予想していますが、利上げ幅は0.50%と0.75%で意見が分かれています。FRBは、消費と生産が鈍化し、インフレが高止まりする一方で、雇用は堅調で増加しているとの見方を明らかにしました。
●企業業績
○株価変動の最大の要因となったのは、企業の決算およびガイダンスの発表でした。現時点で278銘柄が決算発表を終え、209銘柄で営業利益が予想を上回り(75.2%)、60銘柄で予想を下回りました。また、売上高では、274銘柄中186銘柄(67.9%)で予想を上回りました。
⇒2022年第2四半期は前期比7.3%の増益(第1四半期は過去最高となった2021年第4四半期から13.0%減益)、前年同期(2021年第2四半期)比1.7%の増益が見込まれます。売上高は前期比3.7%増、前年同期比11.5%増となり、過去最高を更新する見込みです。
⇒2022年通年の利益は前年比4.8%増と、過去最高を再度更新する見通しで、2022年の予想株価収益率(PER)は18.9倍となっています。
⇒2023年の利益は同11.4%増が見込まれており、予想PERは16.9倍となっています。
⇒2022年第2四半期中に株式数の減少によってEPSが大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は、2022年第1四半期の16.6%から18.9%に上昇しました(2021年第2四半期は5.4%、2020年第2四半期は17.8%、2019年第2四半期は24.2%)。
⇒2022年第2四半期には企業がコスト上昇を転嫁できたことから、営業利益率は12.35%となり、前四半期の11.93%から上昇しました(1993年以降の平均は8.24%、最高は2021年第2四半期の13.54%)。
●個別銘柄
○スカンジナビア航空(SAS)は米国連邦破産法第11条の適用を申請しました。パイロットのストライキにより、SASの航空便の63%がまずキャンセルとなり、負担が増している国際線の路線網に追い打ちをかけました。
○オンライン娯楽大手ネットフリックス<NFLX>は会員数が97万人減少したことを明らかにしました。ネットフリックスは200万人減を予想していましたが、新規顧客を獲得するために、低価格のサービス(広告付きのプランなど)を導入する計画を発表したことから、会員の減少数は予想を下回りました。
○報道によると、自動車メーカーのフォード・モーター<F>は、電気自動車への移行に伴い、数千人のホワイトカラー従業員を解雇する予定です(第1弾として、今後数週間以内に4000人)。フォードは現在、コストを年間30億ドル削減するためのコスト削減プログラムを実施しています。
○化学・電気素材メーカーのスリーエム<MMM>は、ヘルスケア部門(2021年の売上高80億ドル)のスピンオフを発表しました。
○ディスカウントストアのウォルマート<WMT>は、消費者が食料など必需品への支出を増やし、衣類(およびその他の商品)への支出を減らしていることを挙げて、衣料品価格を引き下げました。
⇒ショッピング・プラットフォーム企業のショッピファイA<SHOP>は、オンライン消費の減少を理由に10%(従業員約1000人)の人員削減を発表しました。
○自動車メーカーのゼネラル・モーターズ<GM>は、供給サイドの課題とコストを理由に、第2四半期の利益が前年同期比40%減となったことを明らかにしました。
●注目点
○アルファベットA<GOOGL>はアマゾン・ドット・コム<AMZN>が6月に行ったのと同様に1対20の株式分割を行い、高株価銘柄の中で最新の株式分割実施銘柄となりました。テスラ<TSLA>は2022年8月4日に開催される株主総会で、1対3の株式分割の承認を求める予定です。
○米議会の上院と下院は、米国内の半導体メーカーへの直接支援(390億ドル)や半導体製造に関する税額控除(240億ドル)などを盛り込んだ、総額2800億ドルに上るCHIPS法案(CHIPS and Science Act)を可決しました。同法案に基づき、科学技術研究プログラム(詳細は未定)に対して、今後数年間で約2000億ドルの予算が充てられる予定です。この後、大統領の署名を経て正式に成立する見通しです。
※「7月相場を牽引した業績回復&利下げ期待 (4)」へ続く
株探ニュース
関連銘柄
銘柄名称
株価
前日比
225.37
(19:26)
-1.28
(-0.56%)
9.37
(19:26)
+0.08
(+0.86%)
47.63
(19:26)
-0.50
(-1.04%)
184.51
(19:26)
+0.74
(+0.40%)
150.13
(19:26)
+1.14
(+0.77%)
1,040.51
(19:26)
+4.66
(+0.45%)
127.32
(19:26)
-1.99
(-1.54%)
362.44
(19:26)
+8.33
(+2.35%)
103.81
(19:26)
+0.03
(+0.03%)
この銘柄の最新ニュース
最新人気記事
本日の市況
関連サイト
投資・お金について学ぶ入門サイト
みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の株価予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。『ブログ』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしたり、売買シミュレーションができる『株価予想』機能も、無料でご利用いただけます。
【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。