レポート
配信元:MINKABU PRESS
投稿: 2024/01/16 23:23
米大手銀のアジア株ストラテジストによると、インドは現在、世界的に最も人気のある市場の1つだが、アジアでは間違いなくナンバーワンの市場だという。世界第5位の経済大国であるインドを取り巻く楽観的な見方の多くは、「チャイナ・プラス・ワン」戦略を採用する外資系企業から、インドがどれだけ恩恵を受け続けるか次第だとしている。
企業が「チャイナ・プラス・ワン」戦略を採用する傾向が強まっており、南アジアの国は今後も大きな恩恵を受けると強調。製造施設の設立を検討している外資系企業にとってはベトナムも有力な候補だが、インドは世界の投資家や世界のメーカーが望んでいる生産能力を完全に置き換えたり、完全に増強したりするのに十分な規模とサイズを持っているという。
アップル<AAPL>は4月にインド初の小売店をオープンし、8月にはアイフォーン15の生産を開始した。また、すでにインドに拠点を持つ企業も生産能力を拡大。インド最大の自動車メーカー、マルチ・スズキは先週、42億ドルを投じてインドに第2工場を建設すると発表した。ベトナムの電気自動車(EV)メーカーであるビン・ファスト社も今月初めに約20億ドルを投じてインドに工場を設立することを目指していると発表している。
これらすべてが投資家の心理を高めているという。インド株式市場は昨年、アジアで最も好調なパフォーマーのひとつに浮上し、すでに高水準にある。今年も好調な足取りで新年をスタートさせた。
◆中国はに弱気
一方、これまでナンバー1であった中国には弱気な見方をしている。中国経済は減速しており、株式市場も2023年に3年連続の下落を記録した。中国の株式市場は戦術的な上昇が見られた時期もあったが、それは持続できていない。家計の信頼感も依然として極めて低いことから、投資家は中国株への投資を後回しにしており、外国人投資家が今年戻ってくる可能性も低いとしている。それらの資金が中国市場に積極的に戻ってくるのは少なくとも来年以降ということになりそうだという。投資家が中国市場の健全化を実感し、景況感が回復するまでには、もう少し長い修復期間が必要になるだろうとも付け加えた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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