レポート
配信元:株探ニュース
投稿: 2025/07/26 04:39
米株式市場は再び金曜日に最高値を更新し、S&P500は年初来で約9%上昇している。背景には、一連の貿易協定、堅調な企業決算、そして底堅い国内経済がある。しかし、株価を押し上げてきた上昇ペースは鈍化しつつあり、今週の決算ラッシュに対する投資家の反応は控えめとなっている。
予想を上回る内容が続いたにもかかわらず、市場の反応は落ち着いている。S&P500企業の4-6月期の利益合計は前年比7.7%増の約5380億ドルが予想されており、決算期の開始時点で予想されていた5.7%増を上回っている。ただ、1-3月期の13.7%増と比べると成長ペースは鈍化している。とはいえ、決算を発表した企業の約80%が予想を上回っており、過去4四半期の平均である約76%や、長期平均の約67%を上回っている。
アナリストは前半の決算結果について「過去と比べてほぼ一致か、やや上回る内容」と評価。その上で「投資家は経営者による今後の経済見通しに注目している」と述べている。今四半期の決算が予想を上回っても、先行きの見通しが期待外れであれば、それは不十分。投資家は先を見据えたコメントに主に注目しているという。
ストラテジストも先を見ている。「今四半期の決算は大きなサプライズをもたらすことはないだろう。企業は関税が価格や利益にどう影響しているかについて語ることを避けるだろう。むしろ10月に発表される7-9月期の決算が真の見極め時になる」と述べた。
米株式市場は引き続き最高値を更新しているものの、来週は月末にかけて上昇ペースが鈍化する可能性がある。S&P500の今月の日次の平均上昇率は約0.15%で、6月の0.24%、5月の0.29%と比べて減速している。7月の月間上昇率(約2.6%)も5、6月のペースの約半分となっている。
それでも市場の減速は投資家を不安にさせてはいない。株式市場のボラティリティ指標であるVIX指数は年初来の最低水準付近に留まっている。直近で15で推移しており、これはS&P500が今後1カ月間で1日あたり約60ポイント動くことを示唆している。急落していた4月初旬の約165ポイントから大幅に低下した水準ではある。
来週はS&P500企業のうち162社が発表を予定している、アップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>、メタ<META>、マイクロソフト<MSFT>などマグニフィセント7のうち4社も発表を予定。加えてFOMC、最新のPCE価格指数、7月の米雇用統計なども予定されている。トランプ大統領が示した8月1日の関税期限も迫っており、日銀の決定会合も米国債市場に影響を与える可能性がある。
ストラテジストからは「来週は非常に多くのリスクイベントが予定されている。それらは上振れにも下振れにもサプライズを起こし得るが、全体的には市場心理が非常に楽観的過ぎる印象がある」との声も出ている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
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