シスコシステムズ、決算受け軟調　通期ガイダンスに物足りなさも＝米国株個別

（NY時間09:36）（日本時間22:36）
シスコシステムズ<CSCO>　69.87（-0.53　-0.75%）

　シスコシステムズ<CSCO>が軟調。前日引け後に５－７月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を若干上回った。残存履行義務も予想を上回っている。ただ、株価は冴えない反応。２６年度通期のガイダンスが予想範囲以内に留めたことに物足りなさを感じている模様。

　ＡＩ需要への期待で通期の売上高は６１０億ドルを見込む声もあっただけに、大型案件の追い風を見込んでいた投資家にとってはやや失望感のある内容だった模様。

　同社は急拡大するＡＩ分野の投資需要を取り込もうとしているが、ブロードコム<AVGO>や、ＨＰエンタープライズ<HPE>など競合も参入を強化している。ＡＩインフラ関連のクラウド大手向け受注は８億ドル超と前四半期の６億ドルから増加。サウジアラビアのＡＩ企業や、ＵＡＥのスターゲート計画にも関与する予定となっている。

　ロビンスＣＥＯは声明で「必要なアーキテクチャの転換を主導し、ＡＩ時代に不可欠なインフラを構築するうえで、今後巨大な機会が広がっている」と述べた。

　アナリストは「業績とガイダンスはいずれも悪くはないが、見通しに大きな上振れがないことに加え、特にサービス部門の弱さや製品受注の伸びが比較的鈍い点が重なり、短期的には売りを誘発する可能性が高い」と述べている。

（５－７月・第４四半期）
・１株利益（調整後）：0.99ドル（予想：0.98ドル）
・売上高：146.7億ドル　7.6％増（予想：146.3億ドル）
　製品：108.9億ドル　10％増（予想：107.8億ドル）
　　ネットワーク：76.3億ドル（予想：73.4億ドル）
　　セキュリティ：19.5億ドル（予想：21.2億ドル）
　　コラボレーション：10.4億ドル（予想：10.5億ドル）
　　可視性：2.59億ドル（予想：2.78億ドル）
　サービス：37.9億ドル（予想：38.6億ドル）
・残存履行義務：435.3億ドル（予想：425.0億ドル）
・粗利益率（調整後）：68.4％（予想：68.2％）

（８－１０月・第１四半期見通し）
・１株利益（調整後）：0.97～0.99ドル（予想：0.97ドル）
・売上高：146.5～148.5億ドル（予想：146.5億ドル）
・粗利益率（調整後）：67.5～68.5％（予想：68.1％）

（通期見通し）
・１株利益（調整後）：4.00～4.06ドル（予想：4.03ドル）
・売上高：590～600億ドル（予想：595億ドル）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

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