ダウ平均は下げ渋るもマイナス圏での推移＝米国株後半

NY株式31日（NY時間15:39）
ダウ平均　　　33130.82（-82.14　-0.25%）
ナスダック　　　12148.36（+17.23　+0.14%）
CME日経平均先物　27235（大証終比：-25　-0.09%）

　きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は７日ぶりに反落し、下げ幅は一時４００ドルを超えた。先週の買い戻しのモメンタムが本日は一服している。ウォラーＦＲＢ理事が「必要な限り０．５０％ポイントの利上げが好ましい」とのタカ派なコメントを出したことも、ドル円をサポートしているようだ。一部からは、ＦＲＢが９月に利上げを実施した後に一旦様子を見るとの観測も出ているが、ウォラー理事の発言はその期待を後退させた格好。

　ただ、ＩＴ・ハイテク株中心に下値では買戻しの動きも見られ、ダウ平均も後半にかけて下げを取り戻す動きが見られている。一時プラスに転じる場面も見られた。中国の上海市のロックダウンが明日解除と発表されたことで、ナイキ<NKE>やディズニー<DIS>が上昇していることもダウ平均をサポート。

　先週は小売セクターの堅調な業績とインフレのピークアウトへの期待が投資家心理を高揚させ値ごろ感の買い戻しを膨らませていた。しかし、米国および世界のインフレが成長を鈍化させるとの懸念は根強く、底打ちへの疑問は多く聞かれる。

　インフレと成長鈍化は今やコンセンサスとなっているが、だからといって現行の株価がそれを完全に割り引いたわけではないという。株価が上昇すればするほど、ＦＲＢはよりタカ派的になると指摘している。また、急激な株価下落が起こるかもしれない。弱気相場の構築はプロセスがあり、まださらに下落する可能性もあるとの声も聞かれた。

　カナダの産金のヤマナ・ゴールド<AUY>が上昇。南アのゴールド・フィールズが約７０億ドルで買収することで合意した。

　アパレル販売のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ<AEO>が決算を受け下落。通期見通しを下方修正した。

　衛星放送のディッシュ・ネットワーク<DISH>が５日続伸。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も従来の２５ドルから６０ドルに引き上げている。先週の終値よりも約２．７倍高い水準。

　住宅金融のロケット・カンパニーズ<RKT>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。

　医療機器のデクスコム<DXCM>が上昇の一方、同業のインシュレット<PODD>は売りが強まっている。先週、デクスコムがインシュレット買収で交渉中と伝わったが、デクスコム側が否定した。

アメリカン・イーグル<AEO>　12.13（-0.97　-7.37%）
ヤマナ・ゴールド<AUY>　5.41（+0.24　+4.55%）
ディッシュ<DISH>　22.99（+0.69　+3.09%）
ロケット<RKT>　9.07（-0.41　-4.28%）
デクスコム<DXCM>　299.39（+10.31　+3.57%）
インシュレット<PODD>　213.13（-22.09　-9.39%）
ナイキ<NKE>　119.47（+3.48　+3.00%）
ディズニー<DIS>　111.03（+1.71　+1.56%）

アップル<AAPL>　150.16（+0.52　+0.35%）
マイクロソフト<MSFT>　274.26（+1.02　+0.37%）
アマゾン<AMZN>　2434.92（+131.99　+5.73%）
アルファベットC<GOOG>　2312.97（+56.99　+2.53%）
テスラ<TSLA>　759.71（+0.08　+0.01%）
メタ・プラットフォームズ<FB>　196.49（+1.36　+0.70%）
ＡＭＤ<AMD>　103.35（+1.09　+1.07%）
エヌビディア<NVDA>　187.82（-0.29　-0.15%）
ツイッター<TWTR>　39.82（-0.35　-0.87%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美