ダウ平均は３００ドル超の上げ幅　ネットフリックスが決算受け大幅安＝米国株後半

NY株式20日（NY時間15:27）
ダウ平均　　　35240.70（+329.50　+0.94%）
ナスダック　　　13488.48（-131.18　-0.96%）
CME日経平均先物　27190（大証終比：+10　+0.04%）

　ＮＹ時間の終盤に入ってダウ平均は３００ドル超の上げ幅となっている。きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は続伸。きょうの市場は、米国債利回りが低下しており、ドルも戻り売りが優勢となるなど、このところのＦＲＢの積極引き締めとインフレを警戒した市場の動きに修正が出ている。そのような中で株式市場も前日に引き続き買い優勢で始まった。

　ただ、買い一巡後はＩＴ・ハイテク株中心に戻り売りが強まり、ナスダックが下げに転じたほか、ダウ平均も伸び悩む動きとなった。

　市場から相次いで、このところのインフレに対するパニックは行き過ぎたとの指摘が出ている。「インフレは今期がピークで、２０２３年に向けて着実に低下。市場も次第に落ち着き、金利は低下する可能性がある」とのコメントも出ていた。

　ネットフリックス<NFLX>が大幅安。前日引け後に１－３月期（第１四半期）決算を発表し、有料会員数が予想外の減少となっていた。第２四半期についても大幅な減少を見込んでおり、失望感が強まっている模様。ディズニー<DIS>やワーナーブラザース・ディスカバリー<WBD>、ロク<ROKU>も連れ安となっている。

　そのネットフリックスの決算が、これから決算を控えたＩＴ・ハイテク株に重たい雰囲気を広げたとの声も聞かれた。特にメタ・プラットフォームズ<FB>の下げがきつい。ネットフリックスは今回の決算で２四半期連続で失望感を強めたが、１月に発表された前回１０－１２月期の決算でネットフリックス同様に失望感を強めていたのがメタだった。そのため来週発表予定のメタ決算に警戒感が強まっているとの指摘が出ている。ただ、アナリストからは、２つの銘柄を同一視すべきではないとの意見も出ており、他のＩＴ大手は売られるべきではないと主張している。

　一方、決算を発表したダウ採用銘柄のＩＢＭ<IBM>やＰ＆Ｇ<PG>は上昇。ＩＢＭはハイブリッドクラウド製品への需要が拡大。今回の決算はクラウドベースのソフトウェアとコンサルティングを中心とする事業への移行が引き続き推進されていることを示唆した。

　Ｐ＆Ｇは売上高が予想を上回った。ガイダンスも公表し、通期の実質売上高は予想を上回る見通しを示している。好調な売上高は値上げ、出荷量の増加、高価格帯製品へのシフトによってもたらされた。一方、コスト増が利益を圧迫とも警告している。

　バイオ医薬品のアロビール<ALVR>が同社の主力薬である「ポソリューセル」がＦＤＡから再生医療先進治療指定を受けたと発表した。

　航空宇宙・防衛産業向けに小型衛星を製造するテラン・オービタル<LLAP>が大幅高。アナリストが投資判断を「買い」、目標株価を１０ドルでカバレッジを開始した。

　広告のオムニコム<OMC>が上昇。前日引け後に１－３月期決算（第１四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。中核売上高は１１．９％の伸びを示したことで、通期の中核売上高のガイダンスを、下期の見通しが限定的と指摘しつつも、従来の５．０％－６．０％から６．０％－６．５％に上方修正した。

ネットフリックス<NFLX>　223.21（-125.40　-35.97%）
ディズニー<DIS>　125.00（-6.90　-5.23%）
ロク<ROKU>　110.29（-6.49　-5.56%）
ワーナーブラザース・ディスカバリー<WBD>　23.35（-1.14　-4.67%）
ＩＢＭ<IBM>　138.43（+9.28　+7.19%）
Ｐ＆Ｇ<PG>　164.10（+4.69　+2.94%）
アロビール<ALVR>　6.35（+0.94　+17.36%）
テラン・オービタル<LLAP>　5.70（+0.72　+14.40%）
オムニコム<OMC>　85.11（+4.29　+5.31%）

アップル<AAPL>　167.38（-0.02　-0.01%）
マイクロソフト<MSFT>　287.22（+1.92　+0.67%）
アマゾン<AMZN>　3090.44（-71.87　-2.27%）
アルファベットC<GOOG>　2569.25（-41.37　-1.58%）
テスラ<TSLA>　981.24（-46.91　-4.56%）
メタ・プラットフォームズ<FB>　200.80（-16.51　-7.60%）
ＡＭＤ<AMD>　93.92（-3.01　-3.11%）
エヌビディア<NVDA>　214.93（-7.05　-3.18%）
ツイッター<TWTR>　45.73（-0.44　-0.94%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美