ダウ先物は８５２ドル安　本日も大荒れ　一時１８００ドル超急落も＝米国株

米株価指数先物（6月限）（NY時間08:41）（日本時間21:41）
ダウ先物　37678（-852.00　-2.21％）
S＆P500　4987.00（-123.25　-2.41％）
ナスダック100先物　17103.50（-435.50　-2.48％）

　きょうも株式市場は、トランプ関税がもたらす世界経済への混乱への警戒感から、各国で急落している。通常取引開始前のダウ先物も大幅安となっており、一時１８００ドル超下落する場面も見られた。ただ、ＮＹ時間が近づくにつれて下げ渋る動きも出ている。

　トランプ関税発表以降の一連の動きで、恐怖指数として知られるＶＩＸが急上昇し、本日は６０を超える場面も見られた。昨年８月以来の高水準。ストラテジストからは投げ売りの兆候との指摘も出ている。「投げ売りゾーンに入った場合、多くの人が考える以上、または想像する以上にオーバーシュートする」とも指摘している。また、ＶＩＸがＶＩＸ先物より高い水準となっており、現時点でパニックゾーンにあるとの見方も示した。

　ベッセント米財務長官やラトニック商務長官など経済閣僚が日曜日に、市場がどう反応しようともトランプ政権は関税政策を堅持する方針を強調していたトランプ大統領の場合、最初は高い球を投げるものの、日替わりで修正することも多く、市場もそれを期待している。ただ、両閣僚の発言からはそれが無かったことが失望感を強めている模様。

　市場からは下げ過ぎの声が数多く出る一方、エコノミストからはリセッション（景気後退）への言及も強まっている。米大手証券のエコノミストは、トランプ関税の発表を受け、米国のリセッション（景気後退）確率を３５％から４５％に引き上げた。ストラテジストからは完全に景気後退ならＳ＆Ｐ５００は４５００以下に下落する可能性も指摘されている。

　リセッションの声が高まり始める中、短期金融市場では再び年内４回の利下げを完全に織り込んでいるほか、５回を織り込もうとする動きが再び出ている。先週はパウエル議長が講演で、利下げへの慎重姿勢を堅持し、トランプ大統領の利下げ要請にもコメントしなかったことから、一旦利下げ期待は後退していた。

　本日も市場は大荒れの中、テスラ<TSLA>が時間外で３日続落。アナリストが同社の目標株価を従来の５５０ドルから３１５ドルに引き下げた。現行水準よりは高い水準。マスクＣＥＯおよびトランプ大統領の貿易政策がブランドの危機を招いている点を理由に挙げている。同アナリストはここ４年間、同社の投資判断を「買い」としていた。

　ゴールドマン<GS>が時間外で下落。米大手証券のアナリストが同社の投資判断を「中立」に引き下げた。一方、バンカメ<BAC>の投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を４７ドルに設定。

　イーライリリー<LLY>が時間外で下落。トランプ政権は、高齢者の医療保険であるメディケアに肥満治療薬を保険適用に入れないことを決定した。

　メタノール生産を手掛けるカナダのメタネックス<MEOH>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を従来の７１ドルから３６ドルに大幅に引き下げた。それでも先週末終値よりも高い水準。

（NY時間08:51）（日本時間21:51）時間外
ＶＩＸスポット　47.48（＋2.17　＋4.79％）

ゴールドマン<GS>　449.00（-21.81　-4.63%）
バンカメ<BAC>　33.80（-0.59　-1.72%）
メタネックス<MEOH>　28.06（-0.66　-2.30%）

アップル<AAPL>　183.00(-5.38　-2.86％)
マイクロソフト<MSFT>　355.57(-4.27　-1.19％)
アマゾン<AMZN>　168.11(-2.89　-1.69％)
アルファベット<GOOG>　146.32(-1.42　-0.96％)
テスラ<TSLA>　227.00(-12.43　-5.19％)
メタ<META>　493.06(-11.67　-2.31％)
エヌビディア<NVDA>　89.92(-4.39　-4.65％)
AMD<AMD>　83.04(-2.72　-3.17％)
イーライリリー<LLY>　700.00(-38.21　-5.18％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美


株探ニュース