ダウ先物は２８１ドル安　貿易戦争への懸念を再び強める＝米国株

米株価指数先物（6月限）（NY時間08:30）（日本時間21:30）
ダウ先物　41038（-281.00　-0.68％）
S＆P500　5624.00（-47.75　-0.84％）
ナスダック100先物　19827.50（-228.00　-1.13％）

　米株価指数先物市場でダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも下落しており、本日は続落して始まりそうだ。ＩＴ・ハイテク株も時間外で下落しており、ナスダック１００は大幅安となっている。

　複数の企業が決算で通期ガイダンスを取り下げており、市場は再び貿易戦争の企業と世界経済に与える悪影響に懸念を強めているようだ。前日引け後に決算を発表したフォード<F>は、先行きの不確性から、通期見通しを取り下げ、関税が通期のＥＢＩＴに差し引き約１５億ドルの影響があると指摘。玩具のマテル<MAT>も通期見通しを取り下げた。これらの動きは、一部の米関税措置緩和に支えられた最近の楽観ムードが既に後退しつつあることを示唆しているとの指摘も聞かれる。

　一方、本日からＦＯＭＣが始まり、明日結果が発表される。先週の米雇用統計や前日のＩＳＭ非製造業景気指数などの堅調な経済指標の発表で、ＦＲＢの利下げ期待は後退。トランプ大統領からの利下げ要請にもかかわらず、パウエル議長は利下げへの慎重姿勢を堅持すると見られている。それに市場がどう反応するか警戒している向きも少なくないようだ。

　ストラテジストは、「市場は短期的なポジティブ要因を既に織り込み、今後の経済減速に備えている。われわれの推奨は、最近の急騰を利用して米国へのエクスポージャーを減らすことだ」と言及。「６月にかけて経済指標の減速が見込まれ、関税の影響が表れ始める」とも述べている。

　フォード<F>が決算を受け時間外で下落。好決算ではあったものの、関税の影響で通期のガイダンスを一旦取り下げた。関税の影響により２０２５年のＥＢＩＴが差し引きで約１５億ドル減少する見込みであることも明らかにした。

　情報分析ソフトのパランティア・テクノロジーズ<PLTR>が決算を受け時間外で下落。好決算ではあったものの、現在の高騰した株価を正当化するには物足りない内容との評価のようだ。

　肥満薬の調剤版を販売する遠隔医療プラットフォームのヒムズ＆ハーズ・ヘルス<HIMS>が決算を受け時間外で下落。第２四半期の売上高見通しが予想を下回ったことで失望感が強まっている模様。通期については売上高見通しを維持し、ＥＢＩＴＤＡの見通しは上方修正した。

　オンライン人材紹介業のアップワーク<UPWK>が決算を受け時間外で大幅高。１株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、通期のＥＢＩＴＤＡの見通しを上方修正した。

（NY時間08:40）（日本時間21:40）時間外
フォード<F>　9.94（-0.23　-2.26%）
パランティア<PLTR>　113.45（-10.32　-8.34%）
ヒムズ＆ハーズ<HIMS>　38.70（-3.18　-7.59%）
アップワーク<UPWK>　14.85（+1.53　+11.49%）

アップル<AAPL>　197.62(-1.27　-0.64％)
マイクロソフト<MSFT>　432.71(-3.46　-0.79％)
アマゾン<AMZN>　184.13(-2.22　-1.19％)
アルファベットC<GOOG>　163.43(-2.62　-1.58％)
アルファベットA<GOOGL>　161.53(-2.68　-1.63％)
テスラ<TSLA><TSLA>　274.65(-5.61　-2.00％)
メタ<META><META>　591.03(-8.24　-1.38％)
エヌビディア<NVDA>　112.14(-1.68　-1.48％)
ＡＭＤ<AMD>　99.70(-0.89　-0.88％)
イーライリリー<LLY>　820.01(-1.45　-0.18％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース