ダウ先物は下落　強い経済指標も反応限定的　決算とパウエル議長の動向見極め＝米国株

米株価指数先物（9月限）（NY時間08:51）（日本時間21:51）
ダウ先物　44440（-19.00　-0.04％）
S＆P500　6310.50（+7.25　+0.12％）
ナスダック100先物　23131.25（+54.75　+0.24％）

　きょうの米株価指数先物市場は小動きに終始している。ダウ先物は下落しているものの、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００は上昇。先ほど６月の米小売売上高や新規失業保険申請件数など一連の米経済指標が発表になり、強い内容ではあったが、米株式市場の反応は限定的となっている。

　投資家は今週から始まっている決算を精査し、トランプ大統領とパウエル議長との対立に関する最新の動向を見極め、次の展開を図ろうとしている。ホワイトハウスを始め、米共和党はパウエル議長を解任したがっているようだが、法的には難しいとの見方が多い。職務遂行不能や犯罪・不正行為でも立証されければ議長は解任できない。共和党は、ＦＲＢ本部ビルの改修費用超過（約７億ドル超のコスト増）に絡んだ職務怠慢を根拠として解任の可能性を探っているようだが、無理がありそうだ。

　決算については、好調な滑り出しとなっているようで、Ｓ＆Ｐ５００企業のうち４５社超が決算を発表しており、その８７％が予想を上回る利益を計上している。

　ストラテジストからは「前日の株価の反発は、市場がすでにパウエル議長の解任リスクを織り込んでいる可能性を示唆している」との指摘が出ている。「少なくとも短期的には、投資家は引き続き決算に注目し、それが相場の最大の材料になる」と述べている。

　また、来週からＩＴ・ハイテク大手の決算が始まるが、「比較的良好な決算が出ても驚きはない。そうなれば、想定よりも悪くない決算シーズンという安心感が広がり、市場はある程度の安堵感に包まれる展開になるだろう」とも付け加えた。

　台湾のＴＳＭＣが売上高の見通しを引き上げたことで、本日のＩＴ・ハイテク株は堅調にスタートしそうだ。なお、本日は引け後にネットフリックス<NFLX>が決算を発表。

　ペプシコ<PEP>が決算を受け時間外で上昇。取引開始前に４－６月期決算（第２四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。既存事業売上高も予想を上回っている。ただ、通期のガイダンスも公表し、従来の見通しを維持した。海外市場が好調だった。

　航空機エンジンのＧＥエアロスペース<GE>が決算を受け時間外で上昇。取引開始前に４－６月期決算（第２四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。通期のガイダンスも公表し、１株利益、ＦＣＦとも上方修正した。航空市場の回復を背景に商用エンジンが予想以上に伸びた。

　バイオ医薬品のサレプタ・セラピューティックス<SRPT>が時間外で大幅高。致死性の筋疾患向け遺伝子治療薬「エレビディス」が、肝不全のリスクに関する警告（ブラックボックス警告）付きで市場に残ると発表したことが材料視されている。

　レアアース採掘のＭＰマテリアルズ<MP>が４日ぶりに時間外で反落。増資計画を発表した。

　穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド（ＡＤＭ）<ADM>が時間外で下落。トランプ大統領が、コカ・コーラ<KO>が国内で販売するコーラにサトウキビ由来の砂糖（ケーンシュガー）を使用することに合意したと投稿で明らかにしたことが嫌気されているようだ。

（NY時間09:01）（日本時間22:01）時間外
ペプシコ<PEP>　142.02（+6.67　+4.93%）
ＧＥエアロ<GE>　271.00（+4.82　+1.81%）
サレプタ<SRPT>　23.70（+5.32　+28.94%）
ＭＰマテリアルズ<MP>　55.20（-3.35　-5.72%）
アーチャー・ダニエルズ<ADM>　52.11（-1.89　-3.50%）

アップル<AAPL>　211.10(+0.94　+0.45％)
マイクロソフト<MSFT>　506.80(+1.18　+0.23％)
アマゾン<AMZN>　223.70(+0.51　+0.23％)
アルファベットC<GOOG>　182.98(-0.79　-0.43％)
アルファベットA<GOOGL>　182.10(-0.87　-0.48％)
テスラ<TSLA><TSLA>　324.29(+2.62　+0.81％)
メタ<META><META>　707.15(+4.24　+0.60％)
エヌビディア<NVDA>　172.71(+1.34　+0.78％)
ＡＭＤ<AMD>　161.74(+1.66　+1.04％)
イーライリリー<LLY>　789.10(-0.70　-0.09％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース