ダウ先物は上昇　今週も最高値更新が続く　決算と貿易協議の展がサポート＝米国株

米株価指数先物（9月限）（NY時間08:40）（日本時間21:40）
ダウ先物　44970（+71.00　+0.16％）
S＆P500　6409.50（+8.00　+0.12％）
ナスダック100先物　23374.75（-2.75　-0.01％）

　きょうの米株価指数先物市場、ダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも横ばいで推移。Ｓ＆Ｐ５００とナスダックは前日に再び最高値更新で引け、株価指数は週を通してプラスで終えそうな情勢となっている。Ｓ＆Ｐ５００は今年に入って１３回目の最高値更新で、今週だけで４回達成。ナスダックも今週３回の最高値を更新した。

　この背景には力強い決算シーズンがある。前日のアルファベット<GOOG><GOOGL>は予想を上回る決算を発表していたが、これまでに決算を発表したＳ＆Ｐ５００企業１６９社のうち８２％超が予想を上回る利益を公表している。

　一部からは「この上昇局面がさらに続くには、上昇が市場全体に広がるか、少なくともいまのように継続的である必要がある」との指摘が出ている。

　今週は貿易協議にも進展が見られ、米株式市場をサポートした。トランプ大統領は今週初めに日本との大規模な合意を発表。相互関税率は１５％となり、インドネシアとも貿易協定の枠組みで合意したことをと明かにした。ＥＵとも１５％で合意するのではとの観測報道も流れる中、関税問題については次第に不透明感が払しょくされ具体策が見えてきていることで、市場に安心感を与えている。

　また、トランプ大統領は前日、改修工事を実施しているＦＲＢ本部を視察し、パウエル議長が案内していたが、改修費については若干口論になったものの、議長の解任は不要と発言していたことで市場に安心感を与えている模様。利下げは変わらずに要求している。

　インテル<INTC>が決算を受け時間外で下落。売上高は予想を上回ったものの、１株損益が予想外の赤字となった。タンＣＥＯの発言も嫌気されている模様。技術の優位性回復よりもコスト削減が重視されているとの懸念が広がった。

　低軌道衛星を利用したブロードバンド・ネットワークを構築するＡＳＴスペースモバイル<ASTS>が時間外で下落。前日引け後に転換社債の発行を公表した。２０３２年満期の転換社債（シニアノート）５億ドルを発行。

　鉱山のニューモント<NEM>が決算を受け時間外で上昇。１株利益、売上高とも予想を上回ったほか、フリーキャッシュフロー（ＦＣＦ）も過去最高を記録した。追加で３０億ドルの自社株買いを承認したことも発表。金価格上昇が寄与した。

　靴などアパレルメーカーのデッカーズ・アウトドア<DECK>が決算を受け時間外で上昇。１株利益、売上高とも予想を上回った。ＵＧＧ、ＨＯＫＡのシューズブランドが２桁の増収となった。

　医療保険のセンティーン<CNC>が決算を受け時間外で大幅安。１株損益が予想外の赤字となった。医療給付率が９３％と予想を上回り、医療費コストが利益を圧迫。オバマケア（ＡＣＡ：米医療保険制度改革）関連の見積りの甘さを挙げている。

（NY時間08:50）（日本時間21:50）時間外
インテル<INTC>　20.60（-2.03　-8.97%）
ＡＳＴスペースモバイル<ASTS>　56.00（-4.06　-6.76%）
ニューモント<NEM>　63.18（+1.67　+2.72%）
デッカーズ<DECK>　116.80（+11.86　+11.30%）
センティーン<CNC>　28.15（+1.39　+5.19%）

アップル<AAPL>　214.46(+0.70　+0.33％)
マイクロソフト<MSFT>　513.00(+2.12　+0.41％)
アマゾン<AMZN>　232.90(+0.67　+0.29％)
アルファベットC<GOOG>　193.60(+0.40　+0.21％)
アルファベットA<GOOGL>　192.61(+0.44　+0.23％)
テスラ<TSLA><TSLA>　307.79(+2.49　+0.82％)
メタ<META><META>　717.00(+2.20　+0.31％)
エヌビディア<NVDA>　173.19(-0.55　-0.32％)
ＡＭＤ<AMD>　164.14(+2.02　+1.25％)
イーライリリー<LLY>　807.08(+1.65　+0.20％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース