ダウ先物は６１１ドル安　トランプ関税への脅威が強まる＝米国株

米株価指数先物（3月限）（NY時間08:37）（日本時間22:37）
ダウ先物　44087（-611.00　-1.37％）
S＆P500　5969.00（-98.25　-1.62％）
ナスダック100先物　21191.50（-397.75　-1.84％）

　きょうも米株価指数先物市場は売りが強まっており、ダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも大幅安となっている。トランプ大統領がカナダ、メキシコに２５％、中国に追加で１０％の追加関税を課すと発表したことで、世界的に株式市場は総崩れとなっている。また、大統領は週末に次はＥＵに対する関税を課す意向を示唆した。

　本格的な貿易戦争が世界的なサプライチェーンを混乱させ、インフレを再燃させ、経済を減速させるとの懸念が高まっている。恐怖指数として知られるＶＩＸは一時２２を超える場面も見られた。

　トランプ関税は予想されていたことではあるものの、中国に対する穏やかな姿勢から、関税導入は見送られるのではという楽観的な臆測も流れていたが、その期待は長くは続かなかった。

　ストラテジストは「発表された関税が米成長に直接与える影響はまだ限定的だが、こうした政策転換が将来の貿易政策のリスクと報復連鎖の可能性に対する懸念を増幅させるリスクがある。また、こうした行動は、政権が成長を押し下げたり、インフレを高めたりする政策を回避するという市場の信頼を揺るがす可能性もある」と述べている。

　「市場はいま、トランプ関税の残りの部分を、単に深刻に受け止めるのではなく、文字通り受け止めなければならないのかもしれない。もし、この新たな深刻さが突然織り込まれることになれば、本日は市場にとって荒い１日になる可能性がある」との指摘も出ている。

　今週は、決算が山場を迎え、Ｓ＆Ｐ５００企業のうち１２０社以上が業績を発表予定。その中には、アルファベット<GOOG>、アマゾン<AMZN>、ＡＭＤ<AMD>、クアルコム<QCOM>といったＩＴ・ハイテク企業や、ディズニー<DIS>も発表予定。金曜日には米雇用統計も発表され、非農業部門雇用者数（ＮＦＰ）が１７．５万人増が見込まれている。なお、本日はこのあと日本時間０時にＩＳＭ製造業景気指数が発表される。

　時間外で自動車株の下げが目立っている。ＧＭ<GM>が５日続落しているほか、フォード<F>も３日続落。カナダとメキシコからの輸入品に２５％の関税を課すというトランプ大統領の決定は、北米自動車メーカーの生産を脅かすと見られている。それは既に過去最高水準となっている自動車価格をさらの押し上げるとも見られているようだ。

　３Ｄプリンタ―のストラタシス<SSYS>が大幅高。投資会社のフォルティッシモが同社株１４％の購入に合意した。

　貨物輸送のフェデックス<FDX>が時間外で下落。トランプ関税を理由に、アナリストが運輸セクターの投資判断を引き下げた。

　トライアンフ<TGI>が時間外で急伸。投資会社のウォーバーグ・ピンカスとバークシャー・パートナーズが同社を負債を含めて約３０億ドルで非公開化することで合意した。

　医療機器のベクトン・ディッキンソン<BDX>が時間外で上昇。同社はライフサイエンス部門の分離を検討していると伝わった。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。この部門の価値は約３００億ドルに上る可能性があるという。

（NY時間08:47）（日本時間22:47）時間外
ＧＭ<GM>　46.04（-3.42　-6.92%）
フォード<F>　9.68（-0.40　-3.97%）
ストラタシス<SSYS>　10.70（+1.39　+14.93%）
フェデックス<FDX>　258.00（-6.87　-2.59%）
トライアンフ<TGI>　25.17（+6.43　+34.31%）
ベクトン<BDX>　252.00（+4.40　+1.78%）

アップル<AAPL>　230.81(-5.19　-2.20％)
マイクロソフト<MSFT>　410.68(-4.38　-1.06％)
アマゾン<AMZN>　234.70(-2.98　-1.25％)
アルファベット<GOOG>　201.78(-3.82　-1.86％)
テスラ<TSLA>　389.41(-15.19　-3.75％)
メタ<META>　674.01(-15.17　-2.20％)
エヌビディア<NVDA>　115.56(-4.51　-3.76％)
AMD<AMD>　113.41(-2.54　-2.19％)
イーライリリー<LLY>　801.88(-9.20　-1.13％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース