ダウ平均は横ばい　最悪の事態回避で落ち着き＝米国株序盤

NY株式4日（NY時間12:31）（日本時間02:31）
ダウ平均　　　44428.75（+6.84　+0.02%）
ナスダック　　　19548.83（+156.87　+0.80%）
CME日経平均先物　39035（大証終比：+265　+0.68%）

　きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は横ばい。市場はトランプ関税のヘッドラインに一喜一憂しているが、前日はメキシコに続き、カナダも関税賦課が３０日間延期となった。ただ、中国には予定取りに１０％の追加関税が発動され、中国側も報復措置を発表している状況。

　ただ、ひとまず最悪の事態は回避されたことで、市場は落ち着きを取り戻している。この日発表の雇用指標が労働市場の落ち着きを示唆したことも米株式市場を支えている。

　しかし、欧州もまだあり、予断を許さない状況に変化はなさそうだ。「関税問題は期待ほど早くは解決しない。もちろん、決算が多少の活気をもたらしてはいるが、関税というより大きなゲームが展開されている。われわれはまだ長いプロセスの始まりに立っているに過ぎず、慎重に進めることを推奨する」といったコメントも出ている。
　
　強気な見方は根強い。「いまも力強い米消費と企業業績に後押しされた強気相場にある。このシナリオに何かひびが入るまでは、下落局面は買い時だと考えている。貿易の不確実性が高まることを覚悟しておくべきだが、全体的な背景は依然かなり堅調だと考えている」との声も聞かれた。

　なお、本日は引け後にアルファベット<GOOG>とＡＭＤ<AMD>が決算を発表予定。

　メルク<MRK>が下落。取引開始前に１０－１２月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は時間外で冴えない反応。通期の見通しが予想を下回ったことが嫌気されている。２０２５年２月から少なくとも同年半ばまで、中国へのＮＰＶ薬ガーダシルの出荷を停止すると発表。その影響が２５年度の通期見通しに反映させたとしている。

　化粧品のエスティローダー<EL>が下落。取引開始前に１０－１２月期決算（第２四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、第３四半期の見通しが冴えなかったことが嫌気されている模様。

　スーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>が上昇。同社は２月１１日の引け後に最新情報のアップデートを行うと発表したことが材料視されている。

　情報分析ソフトのパランティア・テクノロジーズ<PLTR>が大幅高。前日引け後に１０－１２月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、第１四半期、通期とも予想を上回る売上高見通しを示した。ＡＩの力強い需要が牽引した。

　ペプシコ<PEP>が決算を受け下落。クエーカーフーズ部門のリコールが業績に影響を与え続けたほか、国際市場が地政学的な圧力による影響を受けたことが要因。

　トランプ大統領から米保健福祉省の長官に指名されているロバート・ケネディ・ジュニア氏が米上院財政委員会の２回目の厳しい公聴会を経て承認され、本会議の投票に進む。これを受けて、決算を受けて上昇していたファイザー<PFE>が下げに転じ、モデルナ<MRNA>も売りが強まっている。

メルク<MRK>　89.36（-10.43　-10.45%）
エスティローダー<EL>　68.93（-13.84　-16.72%）
パランティア<PLTR>　102.04（+18.30　+21.85%）
スーパー・マイクロ<SMCI>　28.63（+1.78　+6.62%）
ペプシコ<PEP>　143.86（-6.41　-4.26%）
ファイザー<PFE>　25.87（-0.34　-1.28%）
モデルナ<MRNA>　35.17（-1.38　-3.78%）

アップル<AAPL>　231.47（+3.46　+1.52%）
マイクロソフト<MSFT>　411.10（+0.18　+0.04%）
アマゾン<AMZN>　241.25（+3.83　+1.61%）
アルファベットC<GOOG>　205.67（+3.03　+1.50%）
テスラ<TSLA>　383.18（-0.50　-0.13%）
メタ<META>　703.71（+6.25　+0.90%）
ＡＭＤ<AMD>　117.05（+2.78　+2.43%）
エヌビディア<NVDA>　118.05（+1.39　+1.19%）
イーライリリー<LLY>　815.39（+4.96　+0.61%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース