ダウ先物は小動き　米利下げ期待で底堅い推移は継続＝米国株

米株価指数先物（12月限）（NY時間08:42）（日本時間22:42）
ダウ先物　47973（+19.00　+0.04％）
S＆P500　6865.25（+3.25　+0.05％）
ナスダック100先物　25639.50（-18.00　-0.07％）

　きょうの米株価指数先物市場、ダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも小動き。本日は様子見の雰囲気で始まりそうだが、底堅い推移は続いており、投資家は来週のＦＯＭＣでのＦＲＢの利下げが、世界的な年末ラリーを後押しすると見ているようだ。

　また、物色の矛先も、これまでのＩＴ・ハイテク株一辺倒から景気循環株などへ裾野が拡大しているようだ。ＩＴ・ハイテク株の高バリュエーションへの懸念は依然根強い中、投資家はディフェンシブや出遅れセクターにローテーションしており、小型株の指数であるラッセル２０００は最高値に接近している

　一部からは「出遅れセクターへのラリー拡大を見込んでいる。ラッセル２０００は金利に敏感で、投資家は景気後退なき利下げへの期待を強めている」との声も出ている。

　先ほど、チャレンジャー＆クリスマスが発表した企業のレイオフ件数は１０月に急増した後、１１月は減少したものの、過去３年で最も多い１１月となった。政府機関閉鎖の影響で米雇用統計の発表が遅れる中、労働市場の判断は民間の指標に依存する状況。前日のＡＤＰ雇用統計も雇用者数が予想外の減少を示し、労働市場の冷え込みを示唆していた。

　市場は来週を含めて来年末までに、ＦＲＢの４回の利下げを織り込んでいる。ただ、景気自体は堅調を維持すると楽観視しており、トランプ大統領がハト派と目される人物を次期ＦＲＢ議長に選ぶとの見方も要因に含まれている。

　なお、先ほど発表の米新規失業保険申請件数は１９．１万件と２２年以来の低水準となったものの、利下げ期待に変化はなく、米株価指数先物も底堅い推移を続けている。

　セールスフォース<CRM>が決算を受け時間外で上昇。第４四半期の売上高見通しが予想を上回ったほか、ＣＲＰＯも約１５％増と予想を上回る伸びを見込んだ。通期の１株利益および売上高の見通しも上方修正している。今回の決算には、顧客による同社のＡＩツール導入が進んでいる兆しが見られた。

　コストコ<COST>が時間外で下落。前日引け後に１１月の月次の既存店売上高を公表し、予想を下回った。米国はやや減速した一方、海外部門が下支えした。

　ロボット処理による自動化ソフトウエア開発のＵｉＰａｔｈ<PATH>が決算を受け時間外で上昇。１株利益、売上高とも予想を上回った。第４四半期のガイダンスも予想を上回る見通しを示している。アナリストからは年ベース経常収益（ＡＲＲ）に注目する声が相次いだ。

　ＡＩ対応の倉庫自動化プラットフォームを手掛けるシンボティック<SYM>が時間外で大幅安。増資および既存株主の売り出しが伝わっている。同社とソフトバンクＧの関連会社が、計１０００万株のシンボティック株を売り出すと伝わった。

　クラウドを活用したビッグデータの保管分析サービスを手掛けるスノーフレイク<SNOW>が決算を受け時間外で下落。好決算ではあったものの、第４四半期の営業利益率の見通しが予想を下回った点を嫌気している模様。

（NY時間08:52）（日本時間22:52）時間外
セールスフォース<CRM>　241.64（+2.92　+1.22%）
コストコ<COST>　908.00（-14.26　-1.55%）
ＵｉＰＡＴＨ<PATH>　16.21（+1.35　+9.08%）
シンボティック<SYM>　62.90（-10.32　-14.09%）
ファイブ・ビロウ<FIVE>　167.76（+4.61　+2.83%）
スノーフレイク<SNOW>　240.60（-24.40　-9.21%）

アップル<AAPL>　283.67(-0.48　-0.17％)
マイクロソフト<MSFT>　479.16(+1.43　+0.30％)
アマゾン<AMZN>　232.40(+0.02　+0.01％)
アルファベットC<GOOG>　321.90(+1.28　+0.40％)
アルファベットA<GOOGL>　321.21(+1.58　+0.49％)
テスラ<TSLA>　448.07(+1.33　+0.30％)
メタ<META>　644.05(+4.45　+0.70％)
エヌビディア<NVDA>　180.10(+0.51　+0.28％)
ＡＭＤ<AMD>　216.05(-1.55　-0.71％)
イーライリリー<LLY>　1032.89(-0.67　-0.06％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース