ダウ平均、ナスダックとも下落　トランプ発言で混乱　エヌビディアが下げに転じる＝米国株概況

NY株式27日（NY時間16:20）（日本時間06:20）
ダウ平均　　　43239.50（-193.62　-0.45%）
S＆P500　　　　5861.57（-94.49　-1.59%）
ナスダック　　　18544.42（-530.84　-2.78%）
CME日経平均先物　37675（大証終比：-625　-1.66%）

　きょうのＮＹ株式市場でダウ平均、ナスダックとも下落。ダウ平均は引け間際に下げに転じ、ナスダックは大幅安となった。取引開始前にトランプ大統領がトゥルース・ソーシャルへの投稿で、メキシコとカナダ、そして中国への１０％の追加関税を予定通りに３月４日に発動すると言及した。４月２日の相互関税の日付は完全に有効なままとも言及。

　トランプ政権は関税導入に関するメッセージを次々と発信してきた。前日にはトランプ大統領が４月の発効を示唆していたが、ホワイトハウスはその後、期限は３月４日のままだと発表。４月発動の期待もあっただけに、米株式市場はネガティブな反応を示している。

　特にＩＴ・ハイテク株は売りが強まった。前日引け後に決算を発表していたエヌビディア<NVDA>が下げに転じたことがムードを圧迫した模様。エヌビディア<NVDA>の決算に対する市場の見方はまちまち。

　一部の投資家が期待していたような爆発的な数字には届かなかったものの、強気な売上予測ではあった。いまのところ中国のディープシークが同社のＡＩチップ需要に打撃を与えていないことを再確認させたとの指摘も出ていた。時間外で売買は交錯していたが、プラス圏で落ち着いていた。

　過去２年間の株高をリードしてきたＩＴ・ハイテク大手は、２０２５年にはバリュエーション不安が高まり、米株式市場は上値の重い展開となっている。

　そのような中、弱い米経済指標が相次ぎ、景気の先行き不安も台頭して来ている。一部からは「ＦＲＢが近いうちにインフレ懸念から景気に軸足を移す必要性に傾き始める」といった声も出ている。２月相場も残すところあと１日となったが、主要平均株価はすべて下落ペースにある。

　なお、取引開始前に第４四半期のＧＤＰ改定値が公表されていたが、全体と個人消費は速報値から変わらずだったが、ＧＤＰデフレータ、ＰＣＥコアデフレータといったインフレ系の数字は上方改定されていた。ただ、それ自体の反応は限定的。むしろ、同時に発表になった米新規失業保険申請件数が急増していたことがセンチメントを冷やしているとの指摘も出ている。

　セールスフォース<CRM>が決算を受け下落。第１四半期と通期の売上高見通しが予想を下回ったことが嫌気されている模様。

　クラウドを活用したビッグデータの保管分析サービスを手掛けるスノーフレイク<SNOW>が決算を受け上昇。１株利益、売上高とも予想を上回った。重要な指標である進行中の残存履行義務も予想を上回っている。通期の製品売上高の見通しが予想を若干上回った。最近投入したＡＩ製品の採用に関連して楽観的なシグナルを送っている。同社は、マイクロソフト<MSFT>との提携強化も発表した。

　ｅコマースのイーベイ<EBAY>が決算を受け下落。予想を下回る第１四半期の売上高見通しを示したことが嫌気されている。ドイツと英国での需要低迷が響いている。

　クラウド・プラットフォーム開発のニュータニックス<NTNX>が決算を受け大幅高。予想を上回る売上高見通しを示した。今回の決算を受けて目標株価を引き上げるアナリストも相次ぎ、ＶＭウェアを使用している顧客との関係強化を指摘する向きもいた。

セールスフォース<CRM>　294.90（-12.43　-4.04%）
スノーフレーク<SNOW>　173.69（+7.50　+4.51%）
イーベイ<EBAY>　63.48（-5.66　-8.19%）
ニュータニックス<NTNX>　76.54（+7.19　+10.37%）

アップル<AAPL>　237.30（-3.06　-1.27%）
マイクロソフト<MSFT>　392.53（-7.20　-1.80%）
アマゾン<AMZN>　208.74（-5.61　-2.62%）
アルファベットC<GOOG>　170.21（-4.49　-2.57%）
テスラ<TSLA>　281.95（-8.85　-3.04%）
メタ<META>　658.24（-15.46　-2.29%）
ＡＭＤ<AMD>　99.51（-5.23　-4.99%）
エヌビディア<NVDA>　120.15（-11.13　-8.48%）
イーライリリー<LLY>　905.16（-9.85　-1.08%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美