ダウ先物は小幅高　関税への警戒の中で次の展開待ち＝米国株

米株価指数先物（6月限）（NY時間08:39）（日本時間21:39）
ダウ先物　42806（+60.00　+0.14％）
S＆P500　5757.50（-2.00　-0.03％）
ナスダック100先物　20088.25（-28.25　-0.14％）

　きょうの米株価指数先物市場はダウ先物は小幅高で推移している一方、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００は軟調に推移している。全体的に次の展開待ちの雰囲気となっている。

　前日はトランプ大統領の関税に対する懸念が再び市場を直撃し、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダックは大幅反落となっていた。前日の引け後にトランプ大統領は自動車輸入品に２５％の関税を課す布告に署名し、ＥＵとカナダに対して追加関税を課す可能性も示唆した。

　関税が成長鈍化とインフレ上昇につながるのではないかという懸念から、Ｓ＆Ｐ５００は２月から３月にかけて一時１０％超下落し、調整局面に一時入っていた。先週に底を打ってから緩やかに回復しはいるものの、以前のような積極的な上値追いまでは見られず、いまは４月２日に発表される相互関税の内容を見極めたい雰囲気となっている。

　一部からは「これまで、バリュエーションがますます割高になる中でも、債券よりも株式を多く保有してきた。しかし、ここ数年で初めて、リスク資産について真剣に懸念を抱くようになった。政策が明確になるまでは少なくとも現金配分を多くすべきであろう」といった声も出ている。

　前日に下げを先導したＩＴ・ハイテク株は時間外でまちまちの動き。マグニフィセント７では、エヌビディア<NVDA>は下落しているものの、その他は小動きに留まっている。ＩＴ・ハイテク株はここ数日大きな圧力を受けており、投資家はＡＩブームのサイクルがいつまで続くのか疑問視している。前日はマイクロソフト<MSFT>が米欧における新たなデータセンタープロジェクトから撤退したとのニュースに不安が再燃していた。本日はどうなるか注目される。

　なお、トランプ大統領の関税発表を受けて、自動車および自動車部品の株価が時間外で下落。特にＧＭ<GM>の下げがきつい。ＧＭはメキシコでの車両の最終組み立ての割合が高く、台数も多い。フォード<F>はＧＭやステラティスよりは影響は少ないと見られている。テスラ<TSLA>やリビアン<RIVN>、ルーシッド<LCID>への影響は軽微。

　ビデオゲーム販売のゲームストップ<GME>が時間外で反落。前日は資産をビットコインで保有するとの発表に動意づき、大幅高となっていたが、本日は時間外で急反落。ビットコイン購入を含む一般的な企業目的のために、転換社債の発行計画を発表したことが嫌気されている。

　バイオ医薬品のソレノ・セラピューティクス<SLNO>が時間外で急伸。プラダー・ウィリー症候群による過食症の治療薬「ヴィカット（徐放性錠剤）」がＦＤＡの承認を取得したと発表した。

　３Ｄプリンタ―の３Ｄシステムズ<DDD>が決算を受け時間外で下落。１株損益の赤字が予想以上に膨らんだほか、製品売上高も予想を下回った。通期のガイダンスも公表し、予想を下回る売上高見通しを示している。

　投資銀行のジェフリーズ<JEF>が決算を受け時間外で下落。経常収益が予想を下回った。投資銀行および資本市場部門の減収が響いた。

　特殊化学のＨＢフラー<FUL>が決算を受け時間外で大幅高。１株利益、売上高とも予想を上回った。なお、通期の見通しについては１月の発表を据え置くとしている。

（NY時間08:49）（日本時間21:49）時間外
ＧＭ<GM>　47.48（-3.47　-6.81%）
フォード<F>　10.28（-0.02　-0.19%）
ゲームストップ<GME>　26.09（-2.27　-8.00%）
ソレノ<SLNO>　66.00（+17.03　+34.78%）
３Ｄシステムズ<DDD>　2.60（-0.12　-4.41%）
ジェフリーズ<JEF>　57.50（-2.79　-4.63%）
ＨＢフラー<FUL>　59.96（+5.64　+10.38%）

アップル<AAPL>　221.29(-0.24　-0.11％)
マイクロソフト<MSFT>　390.18(+0.21　+0.05％)
アマゾン<AMZN>　200.75(-0.38　-0.19％)
アルファベット<GOOG>　167.25(+0.11　+0.07％)
テスラ<TSLA>　274.62(+2.56　+0.94％)
メタ<META>　606.83(-4.15　-0.68％)
エヌビディア<NVDA>　111.65(-2.11　-1.85％)
AMD<AMD>　106.31(-3.88　-3.52％)
イーライリリー<LLY>　826.00(-0.76　-0.09％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース