ダウ先物は大幅続落　トランプ大統領によるパウエル議長の投稿を嫌気　半導体関連は落ち着く＝米国株

米株価指数先物（6月限）（NY時間08:44）（日本時間21:44）
ダウ先物　39291（-562.00　-1.41％）
S＆P500　5334.75（+29.00　+0.55％）
ナスダック100先物　18544.00（+158.75　+0.86％）

　米株価指数先物市場でダウ先物は大幅に続落している一方、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００は反発。途中まで買戻しが見られていたものの、急速に伸び悩む動きが出ている。トランプ大統領が、「パウエルＦＲＢ議長は常に遅過ぎで間違っている。議長の解任は早ければ早いほど良い」とソーシャルメディアに投稿したことが嫌気されている模様。

　また、ダウ先物については、ダウ採用銘柄のユナイテッドヘルス<UNH>決算を受けて大幅安となっていることも圧迫している。予想を大幅に上回る医療費の急増を理由に、通期の見通しを引き下げた。同社が業績見通しを下方修正するのは珍しい。

　日米貿易協議の初期段階での前向きな兆候を材料に、米株価指数先物市場は反発していた。市場に楽観的な雰囲気が広がっている。日米はできるだけ早く貿易合意に達したい方針で、今月後半に予定されている第２回協議の準備が進められている。「日米貿易協議の行方は、単に二国間関係への影響だけでなく、米国が他の同盟国とどうアプローチするかの枠組みとなる可能性もあるため、引き続き注視される」とのコメントも聞かれた。

　前日はパウエル議長が講演で、引き続き利下げに慎重姿勢を示したほか、関税措置が短期的にインフレを上昇させ、ＦＲＢが困難なシナリオに直面する可能性があるなどと、悪影響を強調していたことから、米株式市場は急落していた。

　一方、前日急落していた半導体関連株は本日は落ち着いている。台湾のＴＳＭＣの決算が良好だったことが買戻しを誘発しているようだ。ＴＳＭＣは今年の売上高見通しを維持し、貿易戦争への対処にも自信を示していた。

　イーライリリー<LLY>が時間外で大幅高。肥満治療薬「オルフォグリプロン」が臨床試験（フェーズ３）で、主要な有効性目標を達成したと発表した。初の経口糖尿病・肥満症治療薬として承認される可能性がある。

　レンタカーのハーツ・グローバル<HTZ>が時間外で大幅高。前日引け後に著名投資家のアックマン氏率いるパーシング・スクエアが同社株を約２０％保有していることが明らかとなった。

　アルミのアルコア<AA>が時間外で下落。好決算ではあったものの、トランプ大統領による２５％の鉄鋼・アルミ関税の発動以来、同社に２０００万ドルのコストが生じたことを明らかにしたことが嫌気されている。

（NY時間08:54）（日本時間21:54）時間外
ユナイテッドヘルス<UNH>　476.50（-108.54　-18.55%）
ハーツ<HTZ>　7.20（+1.49　+26.09%）
アルコア<AA>　24.57（-0.50　-1.99%）

アップル<AAPL>　197.25(+2.98　+1.53％)
マイクロソフト<MSFT>　373.06(+1.45　+0.39％)
アマゾン<AMZN>　176.75(+2.42　+1.39％)
アルファベット<GOOG>　157.20(+1.70　+1.09％)
テスラ<TSLA>　244.07(+2.52　+1.04％)
メタ<META>　508.64(+6.33　+1.26％)
エヌビディア<NVDA>　104.85(+0.36　+0.34％)
AMD<AMD>　89.22(+0.93　+1.05％)
イーライリリー<LLY>　822.00(+87.10　+11.85％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース