ダウ先物は７３５ドル高　緊張の一部が緩和　大幅続伸で始まりそう＝米国株

米株価指数先物（6月限）（NY時間08:35）（日本時間21:35）
ダウ先物　40092（+735.00　+1.87％）
S＆P500　5447.00（+132.25　+2.49％）
ナスダック100先物　18935.75（+550.75　+3.00％）

　米株価指数先物市場でダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも大幅に上昇しており、本日の米株式市場は前日の流れを引き継いで大幅続伸で始まりそうだ。

　トランプ政権が投資家を動揺させていた緊張の一部を緩和しており、世界的に安堵感が広がっている。トランプ大統領がパウエルＦＲＢの解任計画を否定。ベッセント財務長官が前日に「関税を巡る中国との対立は長くは続かず、緩和していく見通しだ」と述べていたことも引き続き米中貿易摩擦の緩和への楽観的ムードを後押ししている。米国債も買われ、利回りが低下していることも安堵感に繋がっている模様。

　パウエルＦＲＢ議長の解任については、法律上ほぼ不可能で、実際の可能性はゼロと考えられていた。しかし、トランプ関税をきっかけとした米国離れに市場の焦点があたる中で、売る理由を探していた投資家が敏感に反応していたものと思われる。ＦＲＢ議長は職務不能の状態や違法行為が立証された場合など、よほどの事がなければ解任できない。

　テスラ<TSLA>が時間外で上昇していることもフォローとなっている模様。前日引け後に決算を発表していたが、数字自体は冴えない内容で先行きに対する不確実性も指摘していた。ただ、マスクＣＥＯが米政府の業務から距離を置き、経営に集中すると表明したことで買いが優勢となっている。

　決算については、取引開始前にボーイング<BA>やＡＴ＆Ｔ<T>の決算が発表になっていたが、時間外でポジティブな反応を見せている。トランプ関税の影響が不確実なことから、ガイダンスは据え置く企業が多い。ただ、下方修正まではさほど見られておらず、波乱の展開にはなっていない。しかし、今回の１－３月期の決算はトランプ関税が始まった４月２日より前の数字で、今後を占う上であまり参考にならないとの意見も多く聞かれる。

　本日は引け後にＩＢＭ<IBM>、テキサス・インスツルメンツ<TXN>が発表予定。

　ボーイング<BA>が決算を受け時間外で上昇。売上高が予想を上回ったほか、１株損益およびフリーキャッシュフロー（ＦＣＦ）の赤字も予想ほど膨らまなかった。

　ＡＴ＆Ｔ<T>が決算を受け時間外で上昇。携帯電話、光ファイバーとも加入者の純増数が予想を上回ったことが好感されている模様。

　医薬品のブリストル・マイヤーズ・スクイブ<BMY>が下落。同社の統合失調症治療薬が、使用範囲拡大を目指した臨床試験で、主要目標を達成できなかった。主力薬への転換を目指す計画に打撃を与えている。

　手術ロボットのダヴィンチを手掛けるインテュイティブ・サージカル<ISRG>が決算を受け時間外で上昇。１株利益、売上高とも予想を上回った。世界の手術件数やダヴィンチ外科手術システムの導入台数も予想を上回っている。

（NY時間08:45）（日本時間21:45）時間外
ＡＴ＆Ｔ<T>　27.70（+0.74　+2.75%）
ボーイング<BA>　171.25（+8.73　+5.37%）
ブリストル・マイヤーズ<BMY>　47.90（-1.92　-3.85%）
インテュイティブ・サージカル<ISRG>　513.00（+34.26　+7.16%）

アップル<AAPL>　206.50(+6.76　+3.38％)
マイクロソフト<MSFT>　376.50(+9.68　+2.64％)
アマゾン<AMZN>　182.40(+9.22　+5.32％)
アルファベット<GOOG>　157.70(+3.80　+2.47％)
テスラ<TSLA>　256.10(+18.13　+7.62％)
メタ<META>　528.49(+28.21　+5.64％)
エヌビディア<NVDA>　104.50(+5.61　+5.67％)
AMD<AMD>　91.00(+4.74　+5.50％)
イーライリリー<LLY>　849.56(+22.02　+2.66％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース