ダウ先物は３５３ドル高　米雇用統計は予想上回る＝米国株

米株価指数先物（6月限）（NY時間08:41）（日本時間21:41）
ダウ先物　41208（+353.00　+0.86％）
S＆P500　5674.50（+51.25　+0.91％）
ナスダック100先物　20041.50（+170.75　+0.86％）

　米株価指数先物市場でダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも上昇。先ほど発表の４月の米雇用統計で非農業部門雇用者数（ＮＦＰ）が１７．７万人増と予想を上回ったことで、米株式市場は買いの反応を見せている。

　前回３月分の下方修正を加味すれば、予想範囲内との見方も出ているが、事前にかなり悲観的な見方が広がっていただけに、ひとまず安心感に繋がっている模様。平均時給が予想を下回ったこともポイントとなっているようだ。失業率は４．２％で予想通り。
　
　５月相場に入って市場では４月の悲観的な見方が後退している。トランプ政権が各国との貿易協議に進展が見られていると述べていることや、中国が米国との貿易交渉開始の可能性を評価していると発表したこともフォローとなっている模様。

　ただ、中国は米国がすべての一方的な関税を撤廃すべきと強調しており、米国が交渉を望むなら、真剣さを示し、誤った慣行を是正し、一方的な関税を撤廃する用意を示すべきだ」と表明している。

　アップル<AAPL>とアマゾン<AMZN>の決算が前日引け後に発表となり、それぞれネガティブな反応を示している。ただ、前日のマイクロソフト<MSFT>やメタ<META>の好調もあって全体には広がっていない。

　決算については、Ｓ＆Ｐ５００企業の約３分の２が発表を終え、７６％が予想を上回る利益を報告している。前回よりは若干劣るものの、警戒したほどの弱さではないとの印象のようだ。一部からは、「明らかに関税への警戒が緩和されていることは事実だが、Ｓ＆Ｐ５００の上昇の最大要因は決算だ」とのコメントも聞かれた。

　今週も米株式市場は上昇して終わりそうで、現時点で主要３指数すべてが２週連続のプラス圏を維持。Ｓ＆Ｐ５００は１．４％の上昇が見込まれ、ダウ平均は１．６％、ナスダックは１．９％上昇している。

　アップル<AAPL>が決算を受け時間外で下落。注力しているサービス部門の売上高が予想を下回ったほか、中国での売上高が予想を下回ったことが不安を拡大させている。

　アマゾン<AMZN>が決算を受け時間外で軟調。稼ぎ頭のＡＷＳの売上高が予想を若干下回ったほか、第２四半期の営業利益の見通しが予想を下回ったことが嫌気されている模様。市場は、対中関税の小売業者に与える影響を評価している。同社の競争力のある価格設定と広範なサプライヤーの基盤は、消費者が値引きに敏感になった場合でも、同社を保護する可能性がある。しかし、同社に商品を供給する中国の業者の縮小は、物流事業と高利益率の広告事業に影響を与える可能性がある。

　民泊を中心とした旅行サイト運営のエアビー＆ビー<ABNB>が決算を受け時間外で下落。第２四半期について軟調な見通しを示し、米国の旅行需要鈍化に言及。先行き不透明感が影響しているとの見方を示した。

　ソーシャルメディアのレディット<RDDT>が決算を受け時間外で上昇。今回の決算は経済減速の影響がデジタル広告業界にはまだ波及していないことを示唆した。トランプ政権がもたらした貿易戦争がデジタル広告業界に及ぼす影響を懸念する投資家にとって、今回の決算は安心材料となったようだ。

（NY時間08:51）（日本時間21:51）時間外
エアビー＆ビー<ABNB>　119.65（-4.36　-3.52%）
レディット<RDDT>　122.00（+3.21　+2.70%）

アップル<AAPL>　207.27(-6.05　-2.84％)
マイクロソフト<MSFT>　429.14(+3.74　+0.88％)
アマゾン<AMZN>　192.26(+2.06　+1.08％)
アルファベットC<GOOG>　164.90(+2.11　+1.30％)
アルファベットA<GOOGL>　163.28(+1.98　+1.23％)
テスラ<TSLA><TSLA>　284.87(+4.35　+1.55％)
メタ<META><META>　586.66(+14.45　+2.53％)
エヌビディア<NVDA>　114.01(+2.40　+2.15％)
ＡＭＤ<AMD>　98.18(+1.53　+1.58％)
イーライリリー<LLY>　813.75(+19.65　+2.47％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース