ダウ先物が上昇　イランとイスラエルの停戦成立　依然流動的だが、ひとまず安堵＝米国株

米株価指数先物（9月限）（NY時間08:53）（日本時間21:53）
ダウ先物　43173（+272.00　+0.63％）
S＆P500　6117.75（+40.75　+0.67％）
ナスダック100先物　22280.25（+206.75　+0.94％）

　米株価指数先物市場でダウ先物、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも上昇しており、本日は続伸して始まりそうだ。トランプ大統領がイランとイスラエルの間で停戦が成立したと発表し、中東情勢への懸念が和らいでいる。原油相場も一時６４ドル台まで急速に下落。イスラエルのネタニヤフ首相も停戦に合意したと確認し、「イランに対する戦争目標を達成した」と述べた。

　しかし、合意の報道があってすぐに、イスラエルはイランからミサイルの発射があったことを検知し、イスラエルも空爆を行った。標的はレーダー施設との報道も流れており、依然として流動的ではある。

　アナリストは「中東情勢を完全に後ろに置くには時期尚早だが、本日は地政学的な嵐の後の虹を楽しむために、ひとまず安堵のひと息をつくはずだ。原油価格の急落は、市場が次の段階に進むことへの強い期待を反映している」と述べていた。

　ただし、米国株は年初来で依然として世界の株式市場をアンダーパフォームしており、トランプ大統領による主要貿易相手国への関税政策など不透明な経済見通しが影響している。

　一方、本日はこのあと日本時間２３時にパウエルＦＲＢ議長の下院での議会証言が行われる。先ほど事前原稿が伝わり、議長は利下げ急がない姿勢を改めて表明。先週のＦＯＭＣで公表された委員の金利見通し（ドット・プロット）は、中央値こそ年内２回の利下げが見込まれていたものの、委員の中での見解が二分していることも示されていた。

　市場は少なくとも９月までは政策は据え置かれると予想がコンセンサスとなっているが、ウォーラー理事やボウマン副議長（銀行監督担当）といった一部の理事からは、インフレが落ち着きを条件に、早ければ７月利下げの可能性への言及も出ている状況。先週のＦＯＭＣでの慎重姿勢とは異なるトーンではある。いずれにしろ、質疑応答などで何か新しい材料が出るか注目される。

　配車サービスのリフト<LYFT>が時間外で上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を２１ドルに設定した。前日終値よりも４０％高い水準。

　ｅコマースでのペット用品販売を手掛けるチューイー<CHWY>が時間外で下落。親会社のＢＣパートナーズが保有する同社株１０億ドル相当を売却すると発表した。

　遠隔医療サービスのテラドック・ヘルス<TDOC>が時間外で続伸。空売りでも知られているシトロン・リサーチが、バーチャルヘルスケア・プラットフォームとしての同社の価値が市場で過小評価されていると述べたことが好感されている。

　配車サービスのウーバー・テクノロジーズ<UBER>が時間外で上昇。同社は本日アトランタでアルファベット<GOOG><GOOGL>傘下のウェイモの自動運転車による配車サービスの提供を開始する。

（NY時間09:03）（日本時間22:03）時間外
リフト<LYFT>　15.79（+0.84　+5.62%）
チューイ<CHWY>　42.50（-0.86　-1.98%）
テラドック・ヘルス<TDOC>　8.21（+0.32　+4.06%）
ウーバー<UBER>　87.80（+2.56　+3.00%）

アップル<AAPL>　203.75(+2.25　+1.12％)
マイクロソフト<MSFT>　487.99(+1.99　+0.41％)
アマゾン<AMZN>　211.83(+3.36　+1.61％)
アルファベットC<GOOG>　168.00(+1.99　+1.20％)
アルファベットA<GOOGL>　167.15(+1.96　+1.19％)
テスラ<TSLA><TSLA>　355.13(+6.45　+1.85％)
メタ<META><META>　704.98(+6.45　+0.92％)
エヌビディア<NVDA>　145.42(+1.25　+0.87％)
ＡＭＤ<AMD>　133.56(+3.98　+3.07％)
イーライリリー<LLY>　776.49(+5.85　+0.76％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース