ダウ先物は小幅高もＩＴ・ハイテク株に売り　ソフトバンクＧのエヌビディア株売却に敏感に反応も＝米国株

米株価指数先物（12月限）（NY時間08:36）（日本時間22:36）
ダウ先物　47492（+30.00　+0.06％）
S＆P500　6842.50（-14.25　-0.21％）
ナスダック100先物　25612.25（-102.25　-0.40％）

　きょうの米株価指数先物市場、ダウ先物は小幅高の一方、Ｓ＆Ｐ５００、ナスダック１００とも下落し、前日の上げは一服。

　東京時間に米上院がつなぎ法案を本会議で可決し、米政府機関閉鎖が終結に向かっているとの楽観論が広がった。今後は下院での修正案の再可決とトランプ大統領の署名を待つのみ。それに伴って米株式市場も時間外でポジティブな反応を見せていたが、次第にＩＴ・ハイテク株の上値は重くなり、株価指数先物も下げに転じている。

　日本のソフトバンクＧがエヌビディア<NVDA>株を全株売却したとの報道がＩＴ・ハイテク株の売りを誘っているとの指摘も出ている。孫正義氏率いるソフトバンクＧは、かつてエヌビディア株を大量保有。２０１９年に大量売却したが、その後、再び購入し、最近は買い増しもしていた。ソフトバンクＧがＡＩ分野で独自の地位を築こうとする動きの一環ともされている。

　やはり、ＡＩ関連銘柄のバリュエーションへの疑問は市場に根強くあるようだ。アナリストからは、市場は現在、ある種の調整局面に入っているとの見解も出ているが、市場は、今年の顕著な株価上昇が再び勢いを取り戻せるかを見極めている中、多くのリスクと不確実性に直面している。

　米政府機関の再開は米経済への逆風を和らげ、金融政策判断の基礎となる経済指標も発表再開への期待が高まっている。それについて米大手証券からは、９月分の米雇用統計は閉鎖終了から約３営業日後に発表される可能性があるが、その他については１－２週間後になる可能性がある。しかし、１０月分のデータは収集作業が中断されていたため、発表までに時間がかかり、１２月ＦＯＭＣまでに間に合わない可能性もあるとの指摘も出ている。

　さらに、米中間の通商不安も再燃。中国がレアアースの輸出承認を迅速化する一方、米軍関連企業を除外したと伝わった。米中貿易休戦の持続性に新たな不透明感も生じているようだ。

　一部からは「バリュエーションは極端ではないが、成長ストーリーに不安が出ると急に割高に見える。ＡＩを引き続き強気に見ているが、先行きにはまだ長い道のりがあり、その過程はおそらく変化の大きいものになるだろう」との指摘も出ている。

　メディア大手のパラマウント・スカイダンス<PSKY>が決算を受け時間外で上昇。市場はコスト削減策の強化を好感。人員削減目標をさらに拡大し、新たに１６００人の人員削減を予定し、３０億ドル以上のコスト削減を目指すとしている。

　ＡＩ向けクラウドサービスを手掛けるコアウィーブ<CRWV>が決算を受け時間外で下落。通期の売上高見通しを下方修正したことが嫌気されている。

　ロケット開発のロケット・ラボ<RKLB>が決算を受け時間外で上昇。売上高が予想を上回った。ただ、新型大型ロケット「ニュートロン」の初打ち上げを来年に延期すると発表している。

（NY時間08:46）（日本時間22:46）時間外
パラマウント<PSKY>　16.10（+0.85　+5.57%）
コアウィーブ<CRWV>　96.91（-8.70　-8.24%）
ロケット・ラボ<RKLB>　56.67（+4.77　+9.18%）

アップル<AAPL>　269.71(+0.28　+0.10％)
マイクロソフト<MSFT>　504.40(-1.60　-0.32％)
アマゾン<AMZN>　247.87(-0.53　-0.21％)
アルファベットC<GOOG>　289.08(-1.51　-0.52％)
アルファベットA<GOOGL>　288.70(-1.40　-0.48％)
テスラ<TSLA>　441.15(-4.08　-0.92％)
メタ<META>　625.05(-6.71　-1.06％)
エヌビディア<NVDA>　195.56(-3.49　-1.75％)
ＡＭＤ<AMD>　242.18(-1.80　-0.74％)
イーライリリー<LLY>　964.00(-2.64　-0.27％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース