ダウ先物は下落　中国ＡＩ企業のニュースでＩＴ・ハイテク株に売り強まる　ナスダック１００は急落＝米国株

米株価指数先物（3月限）（NY時間08:26）（日本時間22:26）
ダウ先物　44308（-294.00　-0.66％）
S＆P500　6008.75（-124.50　-2.03％）
ナスダック100先物　21139.75（-771.50　-3.52％）

　きょうの米株価指数先物市場でダウ先物が下落しているほか、ナスダック１００は３％超の急落となっている。時間外でＩＴ・ハイテク株が下げを先導。中国の新興ＡＩ企業であるディープシーク社が先週、オープンＡＩの技術と競合を可能にする最新のＡＩモデルを発表。同モデルは先端半導体を搭載しなくても実行可能で、コスト効率が良いとの観測が広がっている。

　このことは、エヌビディア<NVDA>を含む米国のＩＴ・ハイテク企業の優位性に疑念が生じる可能性がある。一部からは「ディープシーク社はより低コストで強力なＡＩモデルを開発できる一例となる。米国の少数のＩＴ・ハイテク大手の高額投資が主導するＡＩ関連サプライチェーン全体の現状を覆す恐れがある」との指摘も出ている。

　米国では今週、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>などＩＴ・ハイテク大手の決算発表が予定される。利益の伸び鈍化も想定され、バリュエーションがなお過大評価されている現状は、ＡＩ主導で大幅に上昇してきた同セクターの株価に不安を生じさせている。

　規制緩和や減税など、市場から見てトランプ大統領の経済政策の良い点を市場は織り込み、次の材料を模索している。今週から決算発表が本格化し、高値警戒感からの持ち高調整の雰囲気もある中、本日の中国の新興ＡＩ企業のニュースは、その背中を後押ししているのかもしれない。

　ＡＴ＆Ｔ<T>が時間外で上昇。取引開始前に１０－１２月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。スタンキーＣＥＯは声明で「われわれは２０２４年を勢いよく終えた。２０２５年には光ファイバーネットワークの拡張、ワイヤレスネットワークの近代化、事業の成長、そして下半期には自社株買いを開始する予定で、顧客と株主にさらに多くの価値を提供できることを期待して頂きたい」と述べた。

　仮想通貨関連株が時間外で下落。きょうの市場はリスク回避の雰囲気が広がる中、ビットコインが一時１０万ドルを割り込んだことが嫌気されている。トランプ大統領が行政措置で、デジタル資産業界を米国でイノベーションの重要なけん引役と指摘してから数日を経て、投資家が利益確定に動いているようだ。

　ＧＥベルノバ<GEV>が時間外で大幅安。アナリストが先週末引け後に、投資判断を「中立」に引き下げた。従来の３８０ドルの目標株価を取り下げ、現在の株価は適正な水準だとも述べている。

　学生ローンなどフィンテックのソーファイ・テクノロジーズ<SOFI>が決算を受け時間外で下落。経常収益、ＥＢＩＴＤＡとも予想を上回ったものの、第１四半期と通期のＥＢＩＴＤＡ見通しが予想を下回ったことが失望感に繋がっている。

（NY時間08:36）（日本時間22:36）時間外
ＡＴ＆Ｔ<T>　23.46（+0.74　+3.26%）
ＧＥベルノバ<GEV>　353.80（-66.69　-15.86%）
ソーファイ<SOFI>　15.93（-1.99　-11.10%）

コインベース<COIN>　288.40（-9.60　-3.22%）
ＭＡＲＡ<MARA>　19.09（-0.90　-4.50%）
ライオット<RIOT>　12.75（-0.79　-5.83%）
マイクロストラテジー<MSTR>　341.75（-11.92　-3.37%）

アップル<AAPL>　222.11(-0.67　-0.30％)
マイクロソフト<MSFT>　425.28(-18.78　-4.23％)
アマゾン<AMZN>　226.28(-8.57　-3.65％)
アルファベット<GOOG>　195.29(-6.61　-3.27％)
テスラ<TSLA>　394.66(-11.92　-2.93％)
メタ<META>　633.10(-14.39　-2.22％)
エヌビディア<NVDA>　126.02(-16.60　-11.64％)
AMD<AMD>　117.98(-4.86　-3.96％)
イーライリリー<LLY>　781.00(-4.41　-0.56％)

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース